文化財って何?分類ごとにざっくり理解しよう!


みなさま、文化財ってなんだか知ってますか?

お寺?仏像?首里城とかも文化財??ぼくはそれなりに文化財について勉強しているのですが、周りの人と話していると、現在の制度上の文化財とイメージとしての文化財に大きな乖離があります。

説明すると「へー!」と言ってもらえることも多いので、今日は「そもそも文化財とはなんぞや?」というところを説明させてもらおうと思います!

文化財って何?

文化財の種類は大きく6つ。有形文化財、無形文化財、民俗文化財、記念物、文化的景観、そして重要伝統的建造物群です。

これらは「文化財保護法」という法律で定められています。法律の目的は、文化財を保存・活用することです。

え、そんなに種類があったの?そして記念物って何よ?文化的景観とか聞いたことないよ?って方も多いのではないでしょうか。地元にある文化財についてはなんとなく知っていても、地元にない種類の文化財については、身近に触れる機会がないので知らなくても仕方がありません。

 

そして、これら6つの分野で特に素晴らしいものや歴史上意義あるものが、国によって「指定」あるいは「選定」されて「国指定文化財」となります。簡単にいうと「古くてすごくて貴重なもの」ってところです。重要文化財とか国宝、それに特別天然記念物なんかが有名ですね。個人や地方自治体からの推薦は受け付けておらず、国が独自に価値を調査し、重要と分かったものを指定することになります。

 

都道府県や市町村もそれぞれ指定を行っており、それらは「県指定重要文化財」みたいな形になります。注意する必要があるのは、国の文化財と県の文化財は直接的な繋がりがないってことです。つまり県の文化財に対して国はノータッチです。修理の補助金とかも「県指定」に対する国からの補助はありません。

文化財の6類型について学ぼう!!

文化財の種類は先ほど書いたように6つ。有形、無形、民俗、記念物、文化的景観、重要伝統的建造物群です。みなさんがよく知っていそうな文化財から、あまり馴染みがなさそうな文化財まで、順にご説明します。

厳密性よりもざっくりとしたイメージを掴んでもらうことを目的としていますので、その点ご了承くださいませ。

 

★有形文化財

有形文化財が、多くの人がイメージする文化財に最も近いものです。有形文化財は2つに分類されます。寺社などの「建造物」と仏像や屏風などの「美術工芸品」です。そして、これらのうち特に重要なものを国が指定し、よく聞く「重要文化財」や「国宝」となるわけです。

 

では重要文化財と国宝の違いはなんでしょう?一言で言うと凄さ・貴重さの違いです。あとで説明する記念物と有形文化財(建造物と美術工芸品)だけは、2段階に価値づけのランクをつけているんです。

平成29年8月現在、国宝は1,101、重要文化財は13,128あります。重要文化財は国宝の10倍以上。言い換えれば、国宝は重要文化財の10分の1しかないことになります。国宝がいかに貴重かが分かります。ちなみに建造物に限ると、国宝が223、重要文化財が2,274棟です。

 

★無形文化財

え、形がない文化財なんてあるの?と思われる方もいるでしょう。あります、あるんです。例えば能楽(お能)、歌舞伎、雅楽。それに鍛金や染色なんかの工芸技術も無形文化財になります。

 

よくニュースで聞く「人間国宝」というのは、この無形文化財のわざを持っていると認定された「個人」のことです。正式には「重要無形文化財各個認定保持者」と言います。

この人間国宝は116人。「人間国宝」になると、後継者育成等のための費用として、国から年間200万円の補助金が出ます。この予算の都合上、116人が人間国宝の上限となっています。しかも芸能関係と工芸技術関係でだいたい60人ずつに分かれています。想像以上に少なくありませんか?

 

そもそもなぜ人間を指定するのか?というところですが、こういった無形のものは人間がいないと始まらないからだ、と言えるでしょう。

能楽にしても雅楽にしても、工芸技術にしても、行うのは人間ですよね?ですから伝統の技術を継承している人(でちゃんと次の世代を育ててる人←ここ重要)を指定するわけです。

 

★民俗文化財

お祭りとか、それに使ってた道具とか、日本の風俗慣習を知るうえで欠かせないものです。鵜飼やなまはげも民俗文化財に入ります。他の文化財が「芸術上」価値があることなんかも要素に入っているわけですが、民俗はそういった芸術とか関係ないです。ゴーマイオウンウェー。

民俗文化財は有形と無形に分かれます。お祭りそれ自体は無形、山車は有形です。昨年はユネスコの無形文化遺産に「山・鉾・屋台行事」が記載されました。

 

★記念物

記念物はさらに3つに細分化されます。史跡、名勝、天然記念物です。これら3つもランクづけされていて、特に重要だったりすごいものは「特別史跡」「特別名勝」「特別天然記念物」に指定されます。では3つをそれぞれ簡単に説明します。

 

史跡とは、城跡や平城京跡みたいな歴史の舞台となった場所のことです。

よくお城とかに観光に行くと「史跡」の文字を目にすると思いますが、これは「ここ、文化財っすよ」ということです。お城の石垣なんかも史跡として指定されています。藤原宮跡、とか古墳をはじめとする遺跡系も史跡です。青森県の三内丸山遺跡とか。

 

名勝とは、綺麗な景色です。綺麗な景色が文化財なの!?と思うかもしれません。少なくともぼくは最初驚きました。有名どころだと松島とか天橋立とかですね。他にはすごく有名な庭園とか。なんだかすごく不思議な類型です。

 

天然記念物といえば、トキ!とか奈良の鹿!とかアマミノクロウサギ!ですよね。最も天然記念物といってイメージされるのが動物でしょう。

あとは貴重な高山植物なんかも天然記念物。意外なのは、地質鉱物も天然記念物に入るということでしょう。鍾乳洞や地層も文化財なんですね。

 

★文化的景観

さて、さらにマイナー(失礼!)な類型です。

文化財保護法では「地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの(第二条第一項第五号)」とされています。

景観地ということは名勝っぽいです。国民の生活又は生業の理解のために欠かせないというのは民俗っぽいです。ということで、イメージとしては、美しい里山や棚田です。日本の原風景的な。

有形、無形、民俗、記念物については、国が一方的に「これが重要!」といって指定するのに、文化的景観と次に紹介する重要伝統的建造物群保存地区は、市町村が国に推薦する形になっています。

 

★重要伝統的建造物群保存地区

宿場町や城下町、それに門前町などの「街並み」です。時代劇に出てきそうな街並みも文化財として選定されています。観光地としても人気があり、近くにお城など他の文化財も存在することが多いです。

ぼくも先日岐阜県の郡上に行ってきました。お城(史跡)があって街並み(重要伝統的建造物群保存地区)があって郡上踊り(重要無形民俗文化財)があって、と文化財盛りだくさんでした。

最近は外国人観光客が増えていることもあり、今後より一層注目を集めることでしょう。

 


 

以上、文化財6つの類型について簡単に説明してみました。分かりやすさ重視でかなりざっくりになりましたが、ご理解いただけましたでしょうか。

 

簡単におさらいです。

「文化財保護法」によって文化財の類型や保存・活用すべきことが定められていて、これまでに書かせていただいた有形、無形、民俗、記念物、文化的景観、重要伝統的建造物群保存地区をしっかり守って活用して次世代に継承していきましょうね!……以上。

 

雨のち晴れ、きっと明日は晴れるよね!


投稿者: らぴ

旅とカメラと。NikonのD750と58mmf1.4、そして14-24mmf2.8が相棒。望遠欲しい。スポーツとか仕事についても書きます。 雨のち晴れ。いつかきっと晴れるよね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です