バックパッカー大全 〜旅行法から持ち物、おすすめの国や本まで〜


リュックひとつで世界を旅するバックパッカー。

このページでは、そんなバックパッカーの世界に関心を持ってくださったあなたに、「バックパッカーって何?」というところから旅の準備、オススメの町までありとあらゆることをお伝えするために作りました。

 

【このページでのご紹介内容!】

・バックパッカーとは?

・バックパッカーの持ち物リスト

・バックパッカーの服装リスト

・バックパッカーにおすすめの国と町

・バックパッカーへのおすすめ本

バックパッカーとは?

バックパッカーってどんな人?

バックパッカーという言葉、海外に興味がある人であれば一度は聞いたことがあると思います。

バックパッカーというのは、大きなリュックを背負って町から町へ、国から国へ旅する人のことと考えてください。ほとんどツアーなどに参加せず、自分自身で行動を決めていくのが特徴です。現地の公共交通機関なども乗りこなします。沢木耕太郎の「深夜特急」に代表される放浪タイプの旅人が代表格です。

 

バックパッカーのタイプ

ただ、バックパッカーにも色々なタイプがあります。週末や夏休みだけ海外を放浪するタイプ、大学在学中に世界一周してしまうようなタイプ、仕事を辞めて旅立つタイプ、新婚旅行で夫婦二人世界一周、などなど。旅のきっかけや動機はそれぞれということですね。

 

また、予算の使い方も多様です。できる限り節約し、現地の安宿と公共交通機関を使いながら陸路で移動し続けるタイプが、もっともバックパッカーのイメージに近いでしょう。これは特に長期旅行者に多いパターンです。

短期旅行者の場合、このようなパターンから外れる場合もあります。日中は訪問地域のローカルな雰囲気を自分の足で訪問して味わうのですが、夜は豪華な料理を食べたり高級ホテルに泊まったりするタイプです(フラッシュパッカーというらしい)。短期であれば多少の出費は痛くないということでしょうか。

MacBookなどを持ち歩き、ブログなどで情報発信を行いながら広告収入などを得て旅するタイプも、一昔前であれば存在しなかったでしょう。

他には、自転車で世界一周しているような「チャリダー」と呼ばれる人も存在します。僕もインドのザンスカールで出会ったのですが、車でも12時間近くかかる道のりを自転車で進んでいる姿を見たときは驚きました。

 

バックパッカーとしての適性

訪問地の中には、先進国もあれば途上国もありますし、それぞれの地域で伝統的な食生活、生活様式があります。また、現地の人々の気質も全然違いますし、途上国では旅行者を狙ったぼったくり・犯罪などの話も絶えません。移動するたびに環境の変化も生じます。こうした事情を踏まえると、バックパッカーとして適性の高い人も見えてきます。

 

まず、潔癖な人は適性が低いでしょう。特に途上国では、とてもではないですが「衛生状態が良い」とは言えない場所もあります。僻地に行けば、シャワーが存在しない宿もあります。「数日はシャワーを浴びられなくても大丈夫!」というくらいの人の方がバックパッカー生活を楽しめるはずです。

 

食べ物の好き嫌いが多い人も厳しいです。海外の料理は、日本食と大きく異なります。辛いものや酸っぱいもの、聞いたこともないようなスパイス、あるいは「小麦粉を練っただけ」みたいな料理だってあります。

僕は好き嫌いがないと自認していますが、それでも「これはちょっとしんどいな」と思う料理に出会うこともあります。食堂・レストランであれば残すこともできますが、家に招いてくれた地元の人の好意で出された食事の場合、すごく残しづらかったりします。

できればちょっと苦手な味でも「世界にはこんなものもあるのね!」と興味を持ってその時だけでも食べきれるくらいの方が望ましいでしょう。まあ今の時代、世界の多くの町に日本食レストランがありますから、たまには日本食を食べて気を紛らわせながら旅するというのもありだと思いますが。

(関連:海外旅行で日本食を食べるのはアリかナシか?

 

他者への寛容性が低い人は海外でイラついてばかりになるかもしれません。途上国では、押し売りされそうになったり、外国人だからという理由でふっかけられた買い物をさせられそうになることも少なくはありません。もちろん気持ちが良いものではないのですが、そこで「そんなもんか」とある程度割り切れなければ、イライラばかりになります。

また、シェアタクシーなどを使う際には、人が集まるまで延々と待たされることが非常に多いです。時間に追われる生活を送っている日本人の場合「時間が勿体無い!」と思うでしょうが、そこでイラついても何も解決されません。

 

バックパッカーの持ち物リスト

さて、ここからは実際にバックパッカーとして旅立とうとしている方へのお役立ち情報が中心になります。

「リュックを背負って町から町へ」なんて初めて聞くと、すごくハードルが高いことのように感じるかもしれません。初めてのバックパッカーであればなおさらです。何を持って行けば良いのか、足りないものはないか不安になるでしょう。

ぼく自身、何をどうしたら良いのかよく分からず、ネットやら本やらで情報を集めていました。それが今や数分で持ち物を準備できるようになり、単身ウイグルやパキスタン、東チベット等にまで行けるようになりました。ここでは、そんな私が旅に出るときに準備している持ち物をご紹介します。

「備えあれば憂いなし」とはよく言ったものですが、特に慣れない海外に行く際には、事前の準備をしっかりして旅先での不安を取り除きましょう。なお、旅での服装は別途項目立ててご紹介します。

必ず持っていくべきもの

これがなければ旅ができません。他の何を忘れても、これだけは忘れないようにしましょう。特にパスポートとキャッシング機能付のクレジットカードは生命線だと思ってください。

  • パスポート・ビザ・航空券(コピーも)

  • 現金、クレジットカード、キャッシュカード

  • 携帯電話・充電器

  • カメラ(三脚・レンズ・SDカード含む)

  • 変圧・変電器

  • リップクリーム、ニベアクリーム、日焼け止め

ほとんどの人が持っていくもの

海外旅行に行くなら、普通の人は用意しておくよね?というものです。どれも日本から持っていくとその品質の良さに驚くようです。

  • ガイドブック(地球の歩き方、ロンリープラネットなど)

  • バックパック、普段歩き用バック、ポシェット

  • 時計(標高とか分かるものだと高地に行った時の楽しみが増します)

  • ボールペン(出入国の際に必須です。ボールペンを置いていない関所もあるので、持っていきましょう。)

  • 電卓(携帯電話で代用可能ですが、携帯だと不必要に周囲に金持ちアピールをしてしまう危険性があります)

  • 南京錠(特に安宿では、ロッカーに自分の南京錠で鍵をかけるスタイルのところも少なくありません。)

  • サンダル

  • 薬(風邪薬、胃薬、正露丸、解熱鎮痛剤)

  • パソコンかタブレット(スマートフォンで代用可)

  • 爪切り・綿棒・歯ブラシ・石鹸・速乾タオル・髭剃り

  • タオル(特に水泳用のセームが吸水性・速乾性の点で素晴らしいです。)

あったらあったで便利なもの

最後に「あると便利なもの」「必要に応じて」くらいのものをご紹介します。旅行の計画次第では置いていっても良いものだったりします。

 

コンタクトレンズ、水着(温泉に入るのに必要な場合も)、クリアファイル、メモ帳、ゴミ袋、お土産用小さいカバン、日本のお菓子(現地の人へのお土産にもなる)、折り紙(現地の人へのプレゼント)、S字フック(洗濯などに用いる)、懐中電灯(深夜、真っ暗な場所もあります)、音楽プレイヤー(暇つぶし)、チェキ(現地で写真を撮ってプレゼント)、ウエットティッシュ(特にシャワーがない場所)、ホッカイロ(冬・手がかじかまないようにするため)、コーヒーのパック(僕はどうしても飲みたくなります。コーヒーの文化がない国もありますからね。)、栓抜き(ビールを飲みたいのに開けられなかった時に)、高山病の薬

バックパッカーの服装リスト

次は、海外旅行に行くときの服装。たくさん持っていければ良いですが、そうすると無駄に重くなるしカバンはでかくなります。他方、あまりに野暮ったい恰好は嫌だという人もいるでしょう。基本的に2週間程度の海外旅行を想定してリスト化しました。

 

その前に、旅服の原理原則から。基本は、軽くて動きやすくて、それでいて乾くのが早いものです。実際、世界一周中の人を見ると、軽くて動きやすく、しかも速乾性のある登山用のウェアが人気のようです。

軽くて動きやすいことが重要なのは、町歩きなどで外に出て歩くから。重くて動きづらい服だと、それだけで疲れてしまい、行動範囲が狭くなりかねません。

また、乾きやすさの観点は、長旅で頻繁に移動する人にとって非常に重要です。1泊しかいない町で洗濯をして乾かなかった場合、湿ったままの服を着るかしまい込むかになってしまいます。前の日に洗っても次の日にはすっかり乾いているのが望ましいですよね。

 

あとは見た目的な話になりますが、僕の場合、「日本での普段着と旅服が同じものになっても良いように」という基準で普段から服を買っています。基本的に白シャツに黒か濃灰のインナー、そしてチノパンです。これにフリースなどの防寒着が付いてきます。日本でも海外もほぼ変わりません。

旅の服装は、行く場所や旅の目的によっても変わってきます。東南アジアに行くのと乾燥地帯の砂漠に行くのとで服装が違うのは簡単に想像がつくことです。

 

これらを踏まえ、「旅服基本」「寒い地方に行くとき」「トレッキングなどに行くとき」の3つにリストを分けてみました。

 

【基本となる旅服】

・白シャツ1枚(体温調節。お寺に入るときは襟付きが推奨される。)

・Tシャツ3枚

・アンダーウェア4着(ポリエステル素材のもの。下着は軽いので、シャツより1枚くらい多めに持っていく。ズボンとかは着替えなくても良いけど、なんだかんだで下着は着替えたい。)

・靴下4着(同上。)

・ズボン2着(チノパンや登山用ズボンなど。一つのまちに長期間滞在して洗濯する余裕があるならジーンズでも可。僕の場合「チノパンとジャージ」にして寝巻きと兼ねられるようにしています。)

・寝巻き(寝巻きと普段着を区別しないというのもあり。)

・ハーフパンツ(寝巻きにもなるし、暑い時に着れる。)

・サンダル(暑い地方はもちろんのこと、宿の中で履いて歩く。クロックスなどの濡れても良いものが良い。)

・ストール(防寒、日除けなどなど、いろいろな用途に使える。単調になりがちな旅の服装に変化をつける意味でも◎)

・フリース(1枚は持っておくと安心。)

・防寒着(ウインドブレーカーやウルトラライトダウン。暖かい地方だと思っても朝晩は冷え込むなんてこともある。フリースにプラスアルファで。)

 

【寒い地方に行くとき】

・防寒用のアンダーウェア上下

・手袋・ネックウォーマー(ネックウォーマーは軽くて小さいので旅に向いています。手袋はカメラ用のものを使っています)

・スキーウェアなどの防寒着(ウインドブレーカーなどでは足りないとき。マイナス10度以下になるようなときは持っていくことをお勧めします。)

 

【トレッキングなどに行く可能性があるとき】

・トレッキングシューズ(靴は命を守ってくれるもの。まち歩き兼用。)

・疲労軽減タイツ(トレッキング中にトラブルが起きる可能性を現象させる。)

・帽子(日除け。)

バックパッカーにおすすめの国と町

せっかくバックパッカーとして旅するからには、「すごい!」「楽しい!」と思える場所に行きたいですよね?これまで僕は50以上のアジアのまちを旅してきました。これまで僕が訪れた国や地域の中から、難易度別におすすめの国やまちをご紹介します。(そんなわけで、選ばれた都市は必然的にアジアになります。)

 

初めてのバックパッカーにおすすめ!(初心者)

★タイ・バンコク

言わずと知れた東南アジアの雄。「まずは海外の雰囲気を味わってみたい」という方におすすめです。日本から直行便も多数出ていますし、費用的にもリーズナブルに収まります。本当、あらゆる意味で非常に行きやすい街です。

今も根付く仏教世界、タイマッサージ、タイ料理、ビーチに遺跡などなど、観光資源の宝庫です。近場にはパタヤーというビーチリゾートやアユタヤ遺跡もあり、バンコク周辺へのショートトリップも楽しいです。タイ料理は日本人の口に合いやすいと言われています。有名なシンハービールと一緒にどうぞ。

また、バックパッカーという観点では、「カオサン通り」という通りがあります。現在はすっかり観光地化されていますが、元祖「バックパッカーの聖地」です。ネパールのタミル通りなども有名ですが、やはり一番はバンコクのカオサンです。東京にも「カオサン」というゲストハウスがあるようですが、間違いなくタイのカオサンを意識して名付けられているはずです。

このように楽しいバンコクですが、観光客が多い都市は旅行者を狙った犯罪も多いもの。気をつけても気をつけすぎということはありません。

 

★ミャンマー・バガン

軍政から民主化に舵を切り、近年注目度が増しているミャンマー。特に世界三大仏教遺跡群にも数えられるバガンは一見の価値ありです。無数の仏塔と燃えるような朝日は、訪れたのが数年前であるにもかかわらず今も強く記憶に残っています。個人的には、アンコール・ワットと同等かそれ以上に見応えがある遺跡だと思っています。

世界的に有名な遺跡であることもあり、近年は急速な観光地化が進んでいます。ゲストハウスはたくさんありますし、西洋人向けの洋食屋さんも多数。その意味でもまだバックパッカーを始めたばかりの人にとって優しい土地であると言えるでしょう。景色やインパクトを求めている人に対しては、まずバガンをお勧めします。

また、ミャンマーは民族衣装のロンジーが未だに着用されていますし、顔に塗る「タナカ」と呼ばれる化粧品も使用されています。この2つだけでかなり強い異国情緒を味わうことができます。この点、大都会であるバンコクとは大きく異なります。

日本からは、だいたい経由便でヤンゴンへ、そこから空路もしくはバスでバガンまで向かうのが一般的でしょう(日本ーヤンゴンの直行便もありますが、高いです)。バンコクに比べれば行くのが若干大変ですが、もしこれで「もう本当に無理!」という感じであれば、格安スタイルのバックパッカーは向いていない可能性が高いです。

【関連:ミャンマーのおすすめスポット・バガンを自転車でぐるり

 

★ラオス・ルアンパパーン

アメリカのニューヨークタイムズで「世界一行きたい国」に、イギリスのワンダーラスト誌で「世界一満足度の高い国」に選出されたラオス。中でも北部のまちルアンパパーンは町が丸ごと世界遺産になっています。

ある程度観光地化されているので滞在はすごく楽、ご飯は日本人好みでビールも安くて美味しい、国の雰囲気そのままにのんびりできる町です。のんびりと言っても、決して退屈という意味ではありません。象使いになれるツアーや近隣観光のツアーも充実しています。かつてフランスの植民地であった歴史もある国であるため、フランスパンのサンドイッチとコーヒーの組み合わせもなかなかのもの。

また、ルアンパパーンの名物といえば、托鉢とナイトマーケット。托鉢は毎朝行われており、多数のお坊さんと地元の人が今でも昔ながらの托鉢を行っています。ナイトマーケットに関しては、メインストリートが土産物屋さんで埋め尽くされます。特に特産の織物が素敵です。やすいストールだと1本300円程度から。大きくて綺麗な模様が織り込まれたものでも、1000円くらいで購入可能。上質なものが欲しければ、もちろんショップで購入可能です。

行き方は、空路でバンコク経由かハノイ経由、もしくは一度ラオスの首都ビエンチャンに入ってからバスなどで行くことができます。東南アジア周遊を行なっている人の中には、タイ北部チェンマイからメコン川を遡上する形でラオスに入国する人もいます。近年人気の割に町が小さいので、飛行機代が高くなりがちなのがネックですが、それでもかなり行きやすい町だと思います。

【関連:世界遺産ルアンパパーン。托鉢、メコンの夕陽、ナイトマーケットの灯でまち全体がオレンジに染まります。

 

なお、初心者向けの東南アジア旅行については、こちらにまとめてあります。

【関連:東南アジア旅行のおすすめルート!バックパッカーな旅をしよう

 

バックパッカーに慣れてきた方へ!(中級者)

★インド・ラダック

インド北部、カシミール地方には、ラダックと呼ばれるチベット族が暮らす地域があります。中心都市はレー。レーからはバスやシェアタクシーなどを使って点在する村に行くことができます。

ラダックは標高が3,000mを超えるため、高山病の心配もあります。空気が薄いので歩いていても息苦しく、睡眠も浅くなる若干ハードな旅になるでしょう。食事はチベット系のトゥクパと呼ばれる塩味のうどんや、モモと呼ばれる餃子などが食べられます。かなり淡白で、正直なところ味気ないです。

ではなぜそんな辛そうなところに行くのか?当然ですが、そうした辛さ以上に素晴らしい体験ができるからです。同じアジアとはいえ、チベット仏教の祈りの世界は独特です。五色の旗、臙脂色の僧衣、飛び交うチベット語。乾燥した大地やゴンパと呼ばれるチベット僧院も新鮮です。この地域を訪れると「異国に来た」という思いを心の底から抱くことでしょう。

ラダックへは、基本的にインドのデリー経由で行くことになります。日本からデリー、デリーからレーに飛行機で飛びます。デリーからバスで向かうこともできますが、上級者でなければオススメはしません。途中かなり標高が高くなるので、きつい高山病になる危険性があるからです。

【関連:ラダック:インドのチベット、素朴で優しい祈りの地

 

★タイ・パーイ

タイ北部の都市チェンマイからシェアタクシーで行くのがパーイという小さな町。ここはのんびりゆったり系のバックパッカーにおすすめです。特に西洋人に人気があり、洋食の店やバーが一通り揃っています。もちろんタイ料理も食べられます。カフェも数軒ありますので、昼はゲストハウスで昼寝かカフェで読書・勉強なんて過ごし方も可能です。

パーイキャニオンやいわゆる首長族に会いに行くツアーなど、アクティビティも豊富です。東南アジアを回って「一番好きだった」という人もいるくらいです。長期滞在する人も多い、沈没地帯なんです。

パーイで特に面白かったのが、ナイトマーケット。駆け出しの現代アート作家が店舗で、路上で作品を売り出しています。僕も800バーツ(3000円程度)で絵を買ってしまいました。このナイトマーケットは、他の地域と違って画一的なお土産ばかり売っているのではなく、この町でしか買えないようなものも数多く販売しています。

【関連:パーイをご存知?バックパッカーのユートピア、オリジナルアートがいっぱい。

 

★カシュガル(ウイグル)

中国・新疆ウイグル自治区の最西端の町。ウイグル自治区の中でももっともウイグルらしさが残っているとも言われます。非常にシルクロードの匂いが強く、ウイグル族の民族帽子ドッパや民族衣装アトラスを着た人々が行き交います。宗教的にはイスラム教。モスクには仏教寺院とは違った魅力があります。

カシュガルでは、バザールと呼ばれるムスリムの市場、家畜を売り買いする大規模なアニマルマーケット、カバブやラグメンといったウイグル料理。どれもアジアでは珍しいものばかりで、非常に刺激的です。

カシュガルから半日かかりますが、パキスタンとの国境の町タシュクルガンもおすすめです。パミール高原の絶景やタジク族の暮らしにお邪魔できるのはかなり魅力的です。こちらもカシュガルと同様にムスリムの文化圏になりますが、民族が異なるため顔立ちや身につけている民族衣装は別物です。

なお、カシュガルへ行くには、西安から陸路でシルクロード横断的に行くか、もしくは成都、ウルムチなどを経由して空路で入るかでしょう。時間があれば陸路で行くのが面白いですが、空路でも十分に楽しめます。

【関連:カシュガルで新疆ウイグルを堪能!老城や家畜市場で異国感を味わおう!

 

バックパッカーとして世界の深みへ(上級者)

★インド・ザンスカール

中級編でご紹介したラダックからさらに陸路で2日。カシミールの最深部に位置するのがザンスカールです。ラダック同様、チベット族が暮らすこの地域はまるでこの世の果てであるかのごとく荒涼とした大地が続きます。「何があるのか?」と聞かれても「何もない」と答えざるを得ません。しかし、その何もなさが旅人の心を魅きつけるのだと思います。

僕が訪れたザンラという村では、今でも川で歯を磨いていましたし、シャワーなんてものはありませんでした。昔ながらの暮らしが今も続いています(他方、ソーラーパネルを利用したり海賊版のハリウッド映画を見たりしているあたりは、グローバル社会のすごさを感じます)。

ザンスカールに車で行けるのは夏のみ。冬は「チャダル」といって凍った川の上を歩いて訪れるしかありません。テクノロジーが発達した現代においては、行けないところは非常に少なくなりました。そんな中、物理的に外界から遮断された土地であるザンスカールは非常に貴重な地域であると言えるでしょう。

【関連:ザンスカールの行き方まとめ。ラダックの最深部へ

 

★東チベット・アチェンガルゴンパ

チベット自治区の外側、位置的には中国の四川省西部に当たる地域は東チベットと呼ばれます。名前の通り、チベット族が暮らす地域であり、今も色濃くその雰囲気が残っています。成都から早くて2日、おそらく3日はかかるであろう地域にあるのが大僧院アチェンガルゴンパです。ラルンガルゴンパと並び称される僧院であり、ラルンガルへの外国人立ち入りが禁止された今、普通に訪れられる最も大規模なゴンパであると言えます。

高僧の元に修行のため集まった僧侶たちが数千人暮らす宗教都市。アチェンガルゴンパは、男女の生活空間が完全に分けられており、それぞれが僧として修行に励んでいます。景色は筆舌に尽くし難い壮大さです。

標高は4,000m近く、体を慣らしつつ訪れなければ、危険な場所です。高山病は非常に恐ろしいので、舐めてはいけません。また、行くまでに日数もかかりますので、訪れるのが非常に大変です。しかしそうした苦労をしてでも訪れるべき場所です。行って後悔なしです。

【関連:アチェンガルゴンパ:祈りに人生を捧げる天空の街

【関連:東チベットの行き方まとめ ー信仰に生きる人々を訪ねて

 

★パキスタン・フンザ

パキスタン北部にフンザと呼ばれる地域があります。春にはあんずの花が咲き乱れ、さながら桃源郷にふさわしい美しさだと言われます。僕が訪れたのは秋でしたが、秋は秋で非常に美しかったです。風の谷のナウシカの舞台とも言われており、「風の谷」という表現がしっくりきます。初めてフンザの谷を訪れたとき、あまりの美しさにため息が出ました。

風景の他にも遺跡的なものがありますが、もうとにかくゆったりとした時の流れを感じる場所だと思います。パキスタンというとテロや危険なイメージが先行しますが、このフンザの美しさを見ると「本当にここは同じパキスタンなのだろうか?」という疑問がわくほどです。一生のうちに訪れることができてよかったです。

行き方は大きく2通り。パキスタンのイスラマバードから北上するか、僕のように中国・新疆ウイグル自治区からタシュクルガンを経由して南下するか。ウイグルからフンザに向かうと「クンジュラブ峠」と呼ばれる有名な峠を超えられます。舗装道路で世界一高い4,900mを通過します。もちろん息をのむほどの美しい世界が待っています。

【関連:フンザの行き方まとめ!中国からカラコルムハイウェーを駆け抜ける

 

バックパッカーへのおすすめ本

バックパッカーで旅するにあたって、事前あるいは旅しながら本を読んだりするとより一層楽しめる場合があります。そんなエンタメ系を。まずは本から。

深夜特急(沢木耕太郎)

言わずと知れたバックパッカーのバイブル。沢木氏自らの体験談に基づいています。1巻と2巻の評判が良いですが、僕は全編通して好きです。マレー鉄道に乗りながらマレー半島編を読んだのは、今でも良い思い出です。

この本の良いところは、とにかく旅の雰囲気を追体験できること。沢木さんが若い頃の話ですからだいぶ昔になるわけですが、全く色褪せることなく海外の旅情を感じさせます。特に徐々に出てくる倦怠感のようなものはリアルです。

旅に関心がある人であれば、一度は読んでみることをお勧めします。面白い・面白くないを抜きにして、もはや旅人の教養みたいになっています。

 

青春を山に賭けて(植村直己)

世界的登山家・冒険家である植村直己さんの著作です。世界7大陸最高峰全てを世界で初めて達成した方として有名ですね。この本は、そんな偉業に関する自慢話ではありません。あくまで一青年としての植村さんの素顔が垣間見えます。

大学入学を機にひょんなきっかけにより登山部に入部。その後一大決心をしてアメリカに渡った話や、世界的スキーヤーの元でバイトをした話など、人間らしさに溢れています。世界的偉業を成し遂げた植村さんがどのような心持ちで人生を走り抜けたのかは、非常に興味深いと同時に、自分の人生のありようについて考えさせられます。

ちなみにこの続編的な「極北を駆ける」もお勧めします。北極で犬ぞり部隊と共に過ごした日々が描かれています。

 


いかがでしょうか。僕は旅を始めてまだ4年ですが、今でもバックパッカーとして旅するのが大好きです。この記事が「バックパッカーやってみたいけどよくわからない」という方の旅立ちを少しでも後押しできたら嬉しく思います。

 

雨のち晴れ。いつかきっと晴れるよね。


投稿者: らぴ

旅とカメラと。NikonのD750と58mmf1.4、そして14-24mmf2.8が相棒。望遠欲しい。スポーツとか仕事についても書きます。 雨のち晴れ。いつかきっと晴れるよね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です