カオサン通りの過ごし方:バックパッカーの聖地ってどんなとこ?

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カオサン通りの過ごし方:バックパッカーの聖地ってどんなとこ?


カオサンって何?バックパッカーであれば知らない人はいないであろう安宿街、カオサン。ぼくも含め、たくさんのバックパッカーがカオサンを訪れ、「バックパッカーの聖地」ってこういうものなのかー、と感じたことでしょう。

最近ではすっかり観光地化し、昔の雰囲気は失われたと言われていますが、それでもやっぱりたくさんの旅人が訪れる安宿街だし、様々な種類の旅人と出会うことができる面白い場所です。ぼくも2回ほどカオサンを訪れましたが、日本を出て旅を始めたばかりの人や、仕事に疲れて旅を始めた人、長くカオサンにとどまる沈没系の人まで、多くの人と出会いました。

そんなわけで今回は「カオサンってそもそも何?」というところから、ぼくのカオサン経験まで、バックパッカーの聖地カオサンロードについて書いてみます。

カオサンの標識。

カオサンの標識。

 バックパッカーの聖地、カオサンロード

 

タイはバンコク、中心となるスクンビットから離れたチャオプラヤ川沿いにある、バックパッカーの安宿街、それがカオサンです。王宮やワットポー、ワットアルンなどが近くにあるバンコクの西側に位置するエリアに位置しています。

近くまで電車が通っているわけではないので多少アクセスは悪いですが、タクシーの運転手ならまず間違いなく場所を知っているので、行こうと思えば誰でもいけます(ただしタクシーのぼったくり注意!)。

沈没地帯といえばネパールはカトマンドゥのタメル地区なんかも有名ですが、やはり元祖沈没地帯として不動の地位を築いているのはカオサンです。みんな「カオサン」と言いますが、これは通りの名前なので、標識にはカオサンロードと書かれています。

 

たくさんの安宿、それに各地へのバスチケットや航空券を扱う会社、チープな土産物屋、パッタイの屋台、それにマッサージ店やバー。昔からたくさんの旅人が訪れ続けた結果でしょう、カオサンはまさに旅人のための通りになっています。

ぼくもここでお土産を買ったりマッサージを受けたりしました。節約志向のバックパッカーが多い通りなので、基本的には土産物屋もマッサージも安いです。特にマッサージは安いからといって質が悪いわけではなく、とても気持ちよかったです。タイマッサージは1回目は少し痛かったりしますが、一度ほぐしてもらうと二回目からはひたすら気持ち良いんですよね。バンコクに行ったらマッサージは外せません。

また、この通りを起点にカンボジアに行ったり、カンチャナブリーに行ったり。バンコク近郊だったらどこに行くにしてもその辺にあるツアー会社のバンを使えば行ける感じでした。カオサンの近くでムエタイ体験もできます 笑

 

この通り、昼も十分楽しめますが、その雰囲気がよくわかるのは夜です。通りでは道沿いのバーでみんなシンハービールやチャンビールを飲み、路上で光るおもちゃを売るニイちゃんが声をかけてきます。通りの両脇に光るネオンと、バーから流れ出る爆音の音楽、それに東南アジア独特の蒸し暑さがバックパッカーの気分を高めてくれます。

 

日本人宿も数件あります。自分はさくらゲストハウスとナット2に泊まりました。どちらも有名な宿です。ぼくはさくらゲストハウスに泊まっているときに、遊びに来ていた日本人からナット2の話を聞き、2度目の訪問で利用しました。

さくらゲストハウスはオーナーが大人になったこともあってか、旅人の中では旅のネタとして有名になってしまっていますが、ナット2は現役で快適な宿です。安くても個室が使えますので、ドミトリーでの人付き合いが苦手だとか疲れている人には特に役立つはずです。

夜のカオサンは昼とは全く違う顔

夜のカオサンは昼とは全く違う顔

 カオサンで出会った沈没系の人々

 

ぼくは旅先で人と出会って話を聞くのが大好きです。自分の知らない世界を知れるんですから。そして他の旅行地と違い、ここカオサンは沈没地帯。沈没している人から話を聞けます。

「疲れた」とか「少しのんびりしたい」とか、諸々の理由で物価の安い安宿街に長居することを一般に沈没と言います。こういう沈没地帯で沈没している人の話は、日本で普通に生活しているとなかなか聞けないものなので新鮮です。

 

日本にいると、大学を卒業したら毎日仕事に行って、そこから定年まで黙々と働き続けるのが普通だと思っていました。実際にそうしている人が大多数だと思いますが、そうじゃない人生を選んでいく人もいるのを目の当たりにしてみると、あらためて人生の多様性とか在り方について考えさせられるものです。

高収入の仕事をして日本で半年稼ぎ、そこからバンコクで半年過ごす人。仕事を辞めて世界一周に出てきた人。夏は日本でダイビングの仕事をして冬の間だけバンコクに滞在する人。ずっとカオサンに居続ける人もいれば、カオサンを中心にしてたまに小旅行に出かける人もいるようでした。カオサンに流れ着いた理由はバラバラですが、そういった違いは抜きにしてお互い気軽に話をして、旅のひとときを共有しています。

また、物思いにふけるようにのんびりとカオサンに滞在する人もいれば、毎晩のように風俗に通う人も(!)居ます。過ごし方はそれぞれ違っても、日本社会で生きることに疲れた感じというか、世捨て人みたいになっている感じは共通していて、アンダーグラウンドの入り口を見た気分になりました。

 

かつてカオサンを訪れた頃、ぼくはまだ働き始める前でしたが、今こうして仕事をしてみると、あの頃の記憶が違った形で思い出されるから不思議です。自分が仕事に疲れていると、「きっとこんな気持ちでカオサンに行ったんだろうな」と想像してしまいます。

カオサンでは違法薬物の話も聞くし、お世辞にも上品とは言えない混沌とした土地柄なんですが、だからこそダメな自分もそのまま受け入れてもらえるような感じがあるんですよね。よそ者ばかりが流れ着いて、みんなどこか人生のレールから外れていて。そんなところに、あそこにいる人たちの共通点があるように思えます。そういった共通点がある人たちがいるからこそ、流れ着いた旅人は長居してしまうのかもしれません。

カオサンの朝。全く別の場所に来たよう。なんだか空虚な感じがします。

カオサンの朝。全く別の場所に来たよう。なんだか空虚な感じがします。


 

ちなみに、ぼくは積極的に沈没したいとは思いません。できれば元気に旅をして、その場その場で笑って楽しんだり、驚いたり、悲しんだりしたいと思っているからです。その一方で、疲れてしまって沈没する人の気持ちに共感してしまう自分がいることも事実です。きっと、ぼくの中にも沈没できちゃう気質は備わっているんだと思います。

 

ピカピカのネオンと快楽、それに寂しげな沈没系の人たち。かつてバックパッカーの聖地と呼ばれたカオサンは、形は変わっても旅人を惹きつけ続けているようでした。沈没や欧米人がたくさんいる場所が嫌いな人もいるかもしれませんが、一度訪れてみても良い場所だと思います。カオサンって不思議な場所です。

 

雨のち晴れ。熱帯の夜に身を委ねてみるのも一興です。


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