体育学部って何してるの?イメージと異なるその実態。


最近、体育系、スポーツ系の学部が大幅に増えましたね。特に私学でその増加が著しいような気がします。でも実際体育学部って何をしているか知っていますか?

なんとなく体育・スポーツってひたすら運動ばかりやっている「脳筋!」って感じのイメージを持たれがちですが、本来的にどういうことを勉強することになっているかは、意外と知られていません。

もちろん、ひたすら運動ばかりしている大学もあるようですが、別にそればかりではないんです。ぼくは体育学科に入学し、体育学士を持っていますので、大学に通っていたころの経験から、体育学部の様子について紹介してみます。

 体育学部って授業で何してるの?

 

それで実際、体育学部って何してるんでしょう?ひたすら筋トレの勉強?そんなことはありません。

体育学部で勉強することを簡単に言ってしまうと、教養です。歴史や社会、心理などの文系の内容から、生理学や物理学、医学などの理系の内容まで、それらを体育・スポーツという切り口から見るものです。つまり、体育・スポーツを通して教養を学ぶということになります。

 

一例を挙げてみます。例えば体育学部における社会学は、スポーツ社会学と言われます。この授業の中で何をするのかというと、例えば甲子園の野球を題材にとって、人々は甲子園の野球・高校球児に何を求めているのだろうか?ということを考えます。なぜ高校球児は坊主なのか?なぜ炎天下の中でやらなければならないのか?眉毛を整えるのがダメと言われるのはなぜ?それは誰が望んでいるの?などなど、甲子園というビッグイベントを題材にして社会というものをみてみます。

また、箱根駅伝ではなぜタスキを渡せなそうな選手を殊更に映すのか?フラフラになってしまった選手を止めずに「汗と涙が染み込んだ襷」を強調してしまうのかといったことも取り上げていました。

 

今はスポーツ社会学を例にとりましたが、理系分野ではどうでしょう。おそらく、理系分野の方が、一般の人がイメージする体育学部のイメージに近いと思います。

たとえば、スポーツ生理学では皆でビルドアップ走(ゆったりジョギングから始めて徐々にペースを上げていく)をしながら脈拍と乳酸値を計測し、自分の最大酸素摂取量を把握しつつ、人間の生理機能について学んだりしました。

スポーツ医学では、マッサージやテーピングの方法について座学と実技両面から学びましたし、さらに熱中症などへの対処などの一般的にスポーツの現場で起きそうな自己への対処法などについても勉強しました。

 

このように、一つ一つは確かに体育・スポーツに深く関係するものなのですが、それら全てを学び終えてみると、結局のところひろく教養について学んだような気がしています。実際、体育学部で学んだことは就職試験の論文などで多用できました。

また、体育学部に入学する学生のほとんどが教員免許の取得も目指します。この免許取得にあたっては、教職科目と呼ばれる教員養成系の授業もたくさんとる必要があります。

教育心理学や、哲学、教職論といった授業のほか、教育実習などにも行かなければなりません。そうすると、思いの外授業で忙しい毎日が待っています。

 

 体育学部の実技の授業では何をするの?

 

先に座学系の授業を中心に書きましたが、体育学部ですから、体を動かす体育系の授業もあります。周りの人にそのことを言うと、「そこでトレーニングするんだ!」と言われるのですが、それは違います。体育学部の体育の授業では、運動の教え方について勉強します。

中学生や高校生が楽しく体育の授業を受けられ、しかも適切な技術を身につけるにはどうしたら良いのかを、自分たちで体を使って実際に試しながら学んでいきます。

 

この実技の授業ですが、様々な部活に所属する学生が一堂に受けるので、だいたいその道のエキスパートがいます。たとえば剣道の授業でインターハイで優勝した選手から竹刀の振り方を教わったり、ラグビーで日本代表になった選手からパスの出し方を教わることができます。このように一流の技を身近で感じられるというのは、体育学部の大きなメリットです。

一流の選手が、ぼくのように球技ができない人間にちゃんと優しく教えてくれます。お互いが専門分野を持っているし、得意なこともあれば苦手なこともあるってわかってくれるんですね。

 

 体育学部の部活について

 

ではどこで専門の競技について学ぶのかというと、やはりそこは部活でやることになります。

部活ですから課外活動ということになりますが、体育学部においては部活が重要な位置付けをされるので、授業もそこまで遅くなることはないように設定されています。ぼくが通っていた大学の場合、基本的には16時ちょっとで授業が終わり、そこから部活に行けるようになっていました。

 

大学の部活ですから、非常にレベルは高かったです。ぼくも県レベルなんかでは何度も優勝していましたが、大学でははっきり言って話にならないほどのレベルでしかありませんでした。同級生にはオリンピックに出るような選手を筆頭に、全国大会の表彰台に乗っているような選手がずらり。

自分が推薦入学しているくらいのレベルならいざ知らず、一般入試で入っている選手だと、入学時点での実力差がありすぎて、卒業までに大学代表選手になれない場合の方が圧倒的に多いと言えます。現実は本当に厳しいものです。

 

このように大学に入ると全体の競技レベルがかなり上がり、自分が選手になることすら大変になるのですが、それでも一流の選手と一緒に過ごし、一緒にトレーニングを積んでいると、勉強になることはたくさんあります。「強くなりたい」という気持ちは同じですから、一緒の方向を向けるのも良いところです。

 


実技系の学科って、なんとなく実技ばかりやっているようなイメージが先行しがちです。でも実際のところは別にそんなことはなくて、座学の勉強もたくさんありますし、結構授業は忙しいものです。この記事を通して、「へぇ、体育学部ってそんなことやってるんだ」と思っていただけると嬉しいです。

 

今、リオのオリンピックが開催されています。ぼくの大学同期も出場するようです。実力をちゃんと発揮できますように。

雨のち晴れ。もっと強くなりたいなぁ。


走幅跳は空中動作で記録が伸びる?何のためにするか解説します。


走幅跳に挑戦しようと思う人の多くが着目するのが空中動作。

踏み切ってから着地までの間に体をどう動かすかという問題です。みんなが挑戦したくなる理由は単純です。空中動作は派手だから、そしてなんとなく走幅跳っぽいから。

でもそもそも、なぜ空中動作を行うのでしょうか。空中動作を行うことによって記録は伸びるのでしょうか?

 

 走幅跳の記録は空中動作によって伸びる?

 

もちろん、空中動作という概念がある時点で意味はあるわけです。しかし多くの人が勘違いしているのが「空中動作を行うことで遠くに跳べる」ということです。

実際には、いくら空中動作を頑張っても遠くには跳べません。できるのは「損をしないこと」です。多くの人が損をしているため、空中動作によって記録が伸びるということになるんです。

 

走幅跳は速い助走と力強く素早い踏切、そして着地の3段階に分かれます。そして記録はほぼ助走と踏切で決まります。着地はロスが内容に行うものだと考えてよいでしょう。そしてロスのない着地をするための準備が空中動作に当たるわけです。言い換えると、「ロスがないような、有利な着地姿勢をとるための準備」が空中動作ということになります。

多くの人は「空中動作を行うことによってより遠くに跳べる」と思っているようですが、若干不正確というか、認識に誤りがあります。あくまでもロスがないようにするためのものと考えましょう。

 

いうまでもなく、走幅跳は物理的な運動です。よって物理の法則から離れることはできません。エネルギー保存の法則に従い、助走で得た水平方向のエネルギーを、踏切を介して垂直エネルギーに変えていきます。ここで垂直方向に変えることと、ブレーキによって前方に進むエネルギーのバランスをいかにとるかが問題になります。

いずれにしても、ぼくたちが走幅跳で得るエネルギーは、助走から得るものであり、それを効率良く踏切で変換することが重要ということになります。これは、空中で何をしようとも新たにエネルギーを得ることはないことを意味します。

 

つまり、反り跳びだろうがはさみ跳びだろうが、いくら頑張って手足を回転させても、新たに走幅跳で遠くに跳ぶためのエネルギーを得ることはできないのです。若ければ若いほど、見た目の派手さに惹かれて空中動作を頑張ろうとしがちですが、本質的なところではないということをしっかり理解しましょう。

ここを理解した上で着地のロスを少なくするために空中動作の練習に取り組むのであれば結構ですが、そうではない人も少なくはありません。

 

 空中動作と踏切の関係

 

空中動作が適切な着地姿勢をとるために重要であるのはその通りなのですが、そもそもなぜ空中動作が着地に関係あるんでしょう。

 

これは助走で得たエネルギーの方向を踏切で変換していくことに関係があります。助走して踏み切らなければ、当然真ん前に突っ込みますよね?そうならないように踏切ではほんの少しだけ体を後傾させます。

もし空中動作をしなければ、上半身が前のめりになります。これを専門用語で「起こし回転」と言います(踏切脚を支点にして後傾していた状態が前に起きる感じだから、と覚えておいてください)。これを打ち消すために空中動作を行うんです。もし感覚が分からなければ、一度実験してみてください。すぐに分かります。

 

つまり、踏切をすることによって、放っておけば前に突っ込んでしまう体を突っ込まないようにしてあげる。これが空中動作の第一の目的です。踏切と空中動作は切っても切り離せない関係なんです。

 

 空中動作には目線の維持も含みますよ!

 

今回は「空中動作の方法」ではなくて「空中動作で記録は伸びるのか」にスポットを当てましたが、関係性が深いので1つだけ書いておきます。それは「走り幅跳びのコツを教えよう。超重要なのに忘れがちな技術。」でも書いた目線の問題です。

先に書いたように、空中動作の一義的な意味は、体を前のめりにさせず適切な着地姿勢を取れるようにすることにあります。もし踏み切った後目線が下を向いていたらどうでしょう?当然体は前のめりになっていきますよね。

本当は脚を前に投げ出したいのに、体が「く」の字にになってしまい、着地で距離をロスしてしまいます。人間の体ってものすごく目線に左右されるんです。

 

ということで、踏切時の目線が前または少し上を向いていれば、それを維持しましょう。いつまで?もう着地するまでです。空中で砂場を見るなんてことはありません。ずーっと前を見ていてください。

そうすることによって上半身がまっすぐに起きやすくなり、脚を前に放り出しやすくなります。姿勢が「く」ではなく「L」になります。

 

空中動作というのは、単に手足をばたつかせたり体を反らせることではありません。最適な着地動作を行うために必要なことを行うことです。ですから目線を前方に置いておくということも、広い意味で空中動作に入るといっても良いです。

目立たないために大学生以上でもできていない人の方が多いくらいですが、これは意識次第でできることですから、ぜひ身につけてほしい技術です。

 


 

空中動作にばかり気をつけていると、肝心の助走や踏切がおろそかになりがちです。でも、一度身につけてしまえば安定してロスなく着地できるわけですから、技術獲得にチャレンジしてみる価値はあります。

もし自分が着地に問題を抱えているとしたら、一度空中動作を見直してみましょう。空中動作・目線の問題を解決することで今までのロスを小さくできる可能性があります。

その他、走幅跳のコツはこちらから。

それでは今日も良いジャンプを。GOOD LUCK!