東チベットの行き方まとめー信仰に生きる人々を訪ねて


今年の夏休みは東チベットへの撮影旅行でした。ところでみなさん、東チベットって言われて、何のことだかわかりますか?

「チベット」と言うだけならチベット自治区のことだと考えるでしょうが、実はチベット文化はチベット自治区以外にも存在します。大きく、自治区、インドのラダック、ネパール、ブータン、そして東チベットになります。

 

この東チベットですが、中国の四川省や雲南省や甘粛省等に広がっています。しかしぼく達が東チベットについて語るとき、カムとアムドという地方の名前で呼びます。今回ぼくが訪れたのは、このうちのカム地方で、チベット圏でも最大級の寺院であるラルンガルゴンパやアチェンガルゴンパが存在します。もう一方のアムドには九寨溝やラプラン寺などがあります。

東チベットは、これまで一部のチベット好きや旅行マニアの間でのみその存在が認識され、一般の人にはその存在すら知られていませんでした。

というのも、この東チベット地域については地球の歩き方にすら案内がなされていないのです。正確には、一部シャングリラなどの地名が知られてはいますが、まとまってチベット文化圏として紹介されている大衆向けの本はありませんでした。そして、非常に交通の便が悪いため、短期の旅行ではなかなか訪れにくい場所であるがために、今でも一般に旅行先として勧めにくい場所になっています。なんせ成都から直接カムの中心地ガンゼまで行くにしてもバスで18時間、中継時間を挟むと丸2日かかってしまうのですから。

 

そして、他のチベット地域同様、標高が非常に高く、ぼくが訪れたガンゼで3300m、アチェンガルゴンパについては3800mもありました。ガンゼからアチェンガルに向かう道路などでは4000mを超えますし、景勝地としても名高いリタンでは、その町自体が4000mを超えているそうです。

こんな秘境そのものといっても良い土地柄ですから、地球の歩き方ですら詳しい歩き方を載せていません。ですから、旅の情報は経験者が体験談を記したブログとか、旅行人のチベット(これが最も詳しいと思われます)から得るくらいしか方法がありません。しかも、情勢がコロコロ変わる地域。最新の情報は結局現地で仕入れていくしかないんです。実際、ぼくが訪れた際も、バスターミナルの位置が変わっていました(たぶんこのバスターミナルを初めて使った日本人はぼくです。オープン2日目だったので)。

 東チベット旅行の計画と実際の道程

今回、ぼくが急ごしらえした旅行プランは以下のとおりです。


1日目:日本→成都

2日目:成都→ガンゼ

3日目:ガンゼ→アチェンガル

4日目:アチェンガルに終日

5日目:アチェンガル→ガンゼ

6日目:ガンゼ

7日目:ガンゼ→ラルンガル

8日目:ラルンガル

9日目:ラルンガル→成都

10日目:成都

11日目:成都→日本


そして、実際にどう動いたかというと、こんな感じになります。

1日目:日本→成都

2日目:成都→康定(カンディン)

3日目:康定(カンディン)→ガンゼ

4日目:ラルンガルにトライするも失敗(アチェンガルに長めにいることにする)

5日目:ガンゼ→アチェンガル

6日目:アチェンガル(高山病で死にかける)

7日目:アチェンガル→ガンゼ(死にそうだったので早々に退散)

8日目:ガンゼ→康定(カンディン)

9日目:康定(カンディン)→成都(ちゃいなホリデーのため、超渋滞)

10日目:成都

11日目:成都→日本


あまりにも予定と違いすぎて笑えますが、旅行ってこんなもんだと思います。

東チベットは政情が不安定です。チベットと中国漢民族の確執は有名ですが、今でも緊張状態が続いています。ぼくは今回、ラルンガルゴンパに行きたいと考えていましたが、外国人は入れないと言われ、泣く泣く元いた町に引き返すことになりました。9月末現在、政府がラルンガルに広がる僧坊のうち外側に位置するものを破壊したりしているそうです……。

 

また、風邪をひいてしまい、急激に体力が低下。アチェンガルゴンパでは寒気とだるさ、高山病による大変な顔のむくみなどに襲われました。高山病って死に至ることもある病気ですから、かなり怖かったです。

こういった短期の旅行で、しかもよくわからないようなところに行く場合にはアクシデントがつきものです。ラルンにしてもアチェンにしても、そして帰りの渋滞にしても、必ずしも想定していたものではありませんでした。もし1日の余裕もなく渋滞に巻き込まれていたら、日本に帰れるかどうか不安で仕方がなかったことでしょう。そんなわけで、多少の余裕を持つことが旅行成功の秘訣だなぁ、と改めて感じました。

 東チベット周遊の経験から次の旅人へ

今回、ざっと回ってみて感じたことをメモしておきます。ぼくがいろんな人のブログを参考にさせてもらったのと同様に、これから東チベットを訪れる人がぼくのブログを参考にしてもらえると嬉しいです。

 

東チベット・カム地方の周遊においては、リタンとアチェンガル、そしてラルンガルゴンパの3箇所をまわるのが理想ですが、ぼくのように日数が少ない場合には、最初からラルンガルとアチェンガルに絞った方が賢明な気がしています。ぼくが東チベットを再度訪れるとしたら、リタンとシャングリラなどの南部を中心にまわると思います。

また、ぼくは当初、康定に寄る予定はなかったのですが、あまり体調が良くなかったこともあって、多少のんびり目に移動することにしました。高地への慣れという意味でも、康定で一泊しておいたことはプラスに働いていたと思います(というかこれがなかったら生きていたかどうか……)。死にかけた身から言わせてもらうと、本当に高地をなめたらダメです。顔がパンパンに膨れ上がって、右目がつぶれかけました。「いのちだいじに」です。

あと、この地域も日差しが強いです。リップクリームと日焼け止め・ニベア的なものは必須だと思います。特にこの地域は食べ物が辛いので、唇がやられるとかなりしんどいです。もし万が一忘れてしまったら、超市で買いましょう。

 東チベット関連記事一覧

個別の記事については、こちらからどうぞ。

康定にも見どころあり!東チベット・カム地方の州都でまち歩きを。

甘孜で美しい山々と自然なチベット世界を満喫!問答風景も!

甘孜で温泉!東チベットの個室風呂で「い〜湯だな!」

アチェンガルゴンパ:祈りに人生を捧げる天空の街

成都でパンダと麻婆、お土産購入!


東チベットは、旅人であれば一度は訪れてみるべき土地だと思います。ぼくは結婚を控えた友人に、なんとか結婚前の自由がきく時期に一度は見せてあげたいと思っています。この地域は、一生の間に絶対に見るべきものの一つに挙げて良いくらいです。それくらいにぼくたちの日常から離れ、かついろいろと考えさせられる地域です。

雨のち晴れ。どんな雨もいつかはあがるよね。

2016.10.18執筆、2016.12.24リライト


東チベットとウイグルどっちに行くべき?2つの地域を比較してみた!


中国旅行といえば、そう、東チベットかウイグルですよね!異論は認めません!!

そして、ぼくなんかはいつも、どっちに行こうか迷っています。今年の冬はこれからウイグルのカシュガルを中心に回ろうと思っていますが、友人から「ウイグルの見どころって何??」と聞かれたので、今日はその辺について東チベットと比較しつつ考えてみます。

 主な見どころ!

東チベットには、旅好きの中では有名なラルンガルゴンパやアチェンガルゴンパがありますね。どちらも他の地域では絶対に見ることができない絶景と、祈りの声、そしてチベット僧たちの暮らしぶりを垣間見ることができます。

実際に行ってみて、これはすごくよかった。まだ一般の人には有名になっていないですが、死ぬまでに一度は言っておいたほうが良い場所だと言えるでしょう。

s_dsc_9125

これに対し、ウイグル自治区での見どころと言われて、万人にお勧めできる場所はありません。でも、トルファンの古城、ウルムチの天池、パミールのカラクリ湖、モスクの数々、そしてパミール高原と全て素晴らしいです。

特にパミール高原は美しいかったですね。今回も必ず行こうと思います。もう3回目になりますが、それくらいなんども行きたくなる場所だと思っていただければと思います。

家畜市場より
家畜市場より

正直、2つの地域は同じ中国といっても全くテイストが違います。片方は極限高地のチベット圏、もう片方は砂漠とオアシスのイスラム圏です。

ただ、東チベットと無理にでも比較しろと言われたら、東チベットに軍配が上がりそう。他で見れない絶景という点では、東チベットのゴンパは唯一無二でしょう。

 人々の暮らし!

東チベットのチベット人も、新疆ウイグルのウイグル人も、どちらもあらゆる意味で厳しい環境に置かれているという点では同じです。

 

東チベットも奥地まで行ってみると、チベット独特の家屋に住み、町中にえんじ色の僧衣を身にまとったお坊さんがいます。インドのラダックほどではないですが、わりかし旅行者にやさしいと思います。

東チベットといえば何と言ってもお坊さんたちの暮らしでしょう。ウイグルがイスラム教で偶像崇拝を禁止しているのに対し、チベットにはダライ・ラマという絶対的な神様がいるわけです。ダライ・ラマの肖像を掲げるのは禁止されているにしても、レストランなどには高僧の写真などが飾られているケースが多いです。マニ車を回しながらコルラし、仏像に祈りを捧げる様は、宗教ってすごいってことを感じさせてくれます。

チベットのトゥクパやモモといった料理はもちろんのこと、中華料理も豊富にあります。どこに行っても色時に困ることはありません。結構自分で好きなものを選んで食べられるのは良いですね。

 アチェンガルゴンパ
アチェンガルゴンパ

ウイグル自治区はというと、特にカシュガルまで行くと、人々が日常的にウイグル帽子をかぶり、町中に羊が繋がれていたりします。カシュガルはウイグル第2の大都市ということもあり、かなり都会の雰囲気がありますが、それでもウイグル独特の雰囲気は十分以上に味わうことができます。

香辛料や羊の匂い、砂埃や乾燥した空気などは、この地域ならでは。ナイトマーケットも食事をするための場所といった感じで、地元の人たちの日常生活に溶け込んでいます。ウイグル人の普段の生活に溶け込んでみるのはすごく楽しいです。

ここはイスラム教の地域。幾何学模様が発達し、絨毯やモスクの模様などが極めて美しいです。ぼくはイスラム美術の美しさはたの追随を許さないものだと思っていますので、これらを見るのもいつも楽しみにしています。

ウイグル帽子をかぶったおじさま
ウイグル帽子をかぶったおじさま

それに人々の顔がアジア系ではないので、写真を撮らせてもらうのもすごく楽しく、新鮮に感じます。とてもフォトジェニックな地域です。

パミールまで行けば、そこはタジク人の世界。ぼくのお気に入り、タシュクルガンではタジク帽子をかぶった人々が、ウイグル人とはまた違った生活をしています。

食事はとっても美味しい!羊が苦手な人はきついかもしれませんが、カバブやポロ、それに何と言ってもラグメン!ウイグルにだったら住めるな、と思えるくらい美味しいものばかり。フルーツも豊富です。厳しい環境だけど豊かな土地なんだな、というのがぼくの感想です。

美味しいフルーツがたくさん
美味しいフルーツがたくさん

異様なのは、どちらの地域もお店の看板は漢字であること。日本では感じることがない、民族問題を肌で感じることができます。

 


 

迷ったらどちらに行くべきか?と聞かれたら、「どっちも行くべき!」としか言えません。どちらにも全く異なる魅力があります。

強いて言うなら、上記のことを比較して好みがどちらに近いかで判断すべきでしょう。どちらの地域も、行って後悔することはありません。是非行ってみてください。

雨のち晴れ。いつかちゃんと晴れますように。

 

【東チベット】

ガンゼ

アチェンガルゴンパ

【ウイグル】

カシュガル

タシュクルガン