ヤルカンド(莎车)には昔ながらのウイグルが残っていた


タシュクルガンに行けなかったという悪夢のような一日が終わり、さてどうしようかと考える一日。カシュガルでは今までに何度も撮影していたので、光線状態がイマイチな日中は宿で休養をとりつつ、翌日以降の予定を考え直しました。

宿のボスにどこへいくのが良いか聞き、結局ヤルカンドという南の町に行くことに。夕方から散歩と郊外の村での撮影を行い、宿でビールを飲んで就寝。

いざヤルカンド!現地の人と列車の旅を。

前日、青年旅舎のボスからヤルカンドを勧められ、他に当てもないのでその勧めに従うことにしました。ボスからは、30分に1本くらいは出てるからバスで行けば良いと言われていて、その通りにするつもりでしたが、朝になってスタッフに聞いたら「電車にしたら?」とのこと。
理由は、あちこちに警察のチェックポイントがあって煩わしいから、とのこと。田シュクルガンに行くときにチェックポイントで追い返されていたので、同じ轍は踏みたくないとの思いから、電車を利用することに。駅の撮影もしたかったこともあり、ちょうど良いと考えました。電車を利用しないとプラットホームに入れないので、駅と列車内の撮影も兼ねておけば、移動そのものが撮影になるというわけです。

新疆カシュガル老城青年旅舎から駅までは15元。前日の疲れもあって朝は比較的ゆっくりと寝ていたため、朝ごはんを食べていませんでした。そんなわけで、中国恒例の公共施設でカップ麺です。

ちょっとレトロで、ちょっと無骨な列車が到着すると、他のお客さんと一緒に硬座席へ。初めてシルクロードを旅したときは、硬卧と軟卧の夜行列車を利用しましたが、今回はたった2時間の旅程ということで、硬座でもまったく問題ないのではないかと思ったわけです。乗ってみて驚いたのは、硬座といってもちゃんとシートが柔らかいということ。
ベトナムで硬座を使ってハノイからフエまで南下したときには、本当に木製の硬い座席だったので、てっきり硬座とはそういうものかと思っていました。ちなみに料金は25.5元でした。安い。
さすが、カシュガルからウイグル自治区の南部に向かう列車だけあって、乗客はウイグル人が多く、ウイグルを旅していることが濃厚に感じられます。
大きなカメラが珍しいのか、子供たちが駆け寄ってきては写真を撮ってくれとせがんできます。列車内の風景を撮影しているうちに、あっという間にヤルカンドに到着です。

青年旅舎はどこ?迷う→とりあえず観光

ヤルカンドに着くと、ゲストハウスまで直行するべくタクシーへ。青年旅舎の文字が写るポスターの写真を見せたのですが、ウイグル人が漢字を読めなかったらしく、ポスターに掲載されている観光名所に連れて行かれてしまいました。
その後再度タクシーで向かおうとするも結局場所がわからず。1時間と心身の体力をロスしてしまいました。
仕方がないので、まずは連れてこられた観光地を見てみることに。どうやら昔のスルタンや有名な詩人(王妃)のお墓が名所になっているようです。たいていの場合、こういった場所は一瞥して終わりくらいのことが多いですが、この場所に関しては、想像以上に良かったです。
昔からのお墓がかなり良好な状態で保存されていて、レリーフも非常に綺麗です。古の王国に想いを馳せるには素晴らしい場所だと思います。料金は詩人のお墓と合わせて15元。
この2つの観光地を見たら、気を取り直して宿探しです。写真が変な印象を与えてもいけないので、住所だけを別の紙に書き写し、警察等に道を聞いてみます。正直なところあまり期待してはいなかったのですが、丁寧に教えてくれました。
このヤルカンドでの2日間で気づいたのですが、南の警察は中国の他の地域のものとは違います。警官のほとんどがウイグル人で、できる限り協力してくれようとします。中国で警察を頼れるとは思っていなかったので、意外な気持ちを抱くと同時に、すごく嬉しくなりました。
結局、観光名所であるアルトゥンから2キロほど離れている場所に探していたゲストハウスがありました。すごく驚いたのが、警察署と一体型になっているということ!今までいろいろなゲストハウスにお邪魔しましたが、さすがにこの形態は初めてでした。
しかも、そこで働く警察は非常にフレンドリー。自分から写真を撮ってくれと言ってくるほどでした。この2つの例をみても分かるように、警察が威圧的なことは全くなく、カシュガルとは大きく雰囲気が異なると感じました。

やっと思いで撮影へ。

荷物を降ろし、いざ撮影です。大通りから一歩入った通りには小さな商店が並んでおり、地元の人たちの生活を伺うことができます。

新城路から老城路の方面に向かって進んでいくと、バザールが開かれている一角があります。ご飯屋さんが集まったエリアもあれば、男たちが集まってトランプに興じているエリアもあります。また、大きなサムサ屋さんもあり、イケメン君が一生懸命作業していましたので、お願いしてたくさん写真を撮らせてもらいました(ウイグルではおじいさん・おばあさんや子供はよく見かけますが、10代後半から20代前半くらいの若者を見かけることが少ないです)。

ヤルカンドは地球の歩き方にも町の紹介が載っていないような町ですが、カシュガルに比べてもウイグル本来の雰囲気が更に色濃く残っていて、元々のウイグルの雰囲気を味わうには非常に良いと思われます。

バザールでウイグルの雰囲気を十分に味わって、ゲストハウスに戻り長い一日が終わります。

実質旅行最終日は写真を撮りまくる。

旅6日目。この日ヤルカンドからカシュガルに帰れば、もう次の日には帰国です。

やはり1週間程度の旅行でカシュガルまで来ると時間が足りないですね。とにかくできる限りのことをやっておこうと、この日も前日と同じバザールへ。

バザールから更に郊外に向けて歩いていくと、昔ながらのウイグルの町が残っています。歩いていると呼び止められ、家に招いてもらえました。若い男性が家にいて珍しいと思ったら、日本の某メーカー製のバイクに乗っている際に事故にあったということで、療養中のようでした。

途上国と言われる地域全般に言えることですが、ここウイグルでもバイクが非常に多いです。きらびやかな民族衣装と現代的なバイクとの組み合わせは興味深いものです。

撮影を終え、カシュガルへ帰還。時間があればホータンまで行ってみたいと思いましたが、こればかりはどうしようもありません。

帰りは長距離バスで、タクラマカン砂漠を爆走です。途中、検問が4つもあり、やはりチェックが厳しいと感じました。通れるかどうかわからないという心配をするくらいなら、電車で移動した方が良いのかもしれないと思います。(バスは車両によって値段が違い、自分が乗ったのは高い40元のものでした)


こうして1泊2日の短いウイグル南部旅行は終了しました。時間さえあれば、もっとじっくり回って見たい地域です。タシュクルガンには行けなかったですが、こうして他の場所でがんばれたので良かったです。

雨のち晴れ。明日はきっと晴れますように。


いざタシュクルガンへ!?最悪の事態が発生。


成都での1日ロスを乗り越え、ついにタシュクルガンへ。今回は写真を撮るべくきた旅ですから、ここからが本番です。いざ出発!

快適な空の旅でカシュガルへ

5時30分、ホテルのフロントからのモーニングコールで目覚め、シャワーを浴びて空港へ。2日前にあれほど念押しして、ウイグルへのフライトにちゃんと登録するように言っておいたのに、どうやら上手くいっていなかったようでした。それでもチェックインカウンターの女性がなんとかチケットを入手。時間通りに出発できました。

ここからは、今回の旅から導入したKindleの出番です。3idiot(きっと、うまくいく)というインド映画を事前にダウンロードしていたので、それを見ながらの空旅です。この映画、ラストシーンがラダックのパンゴン・ツォという湖ということで、ラダックファンからも好評なようです。

そんな自分は前回、西へ西へ進んでザンスカールに行ってしまったので、次回は湖のある東にも行ってみたいものです。映画そのものも非常に素晴らしく、久々に良いものを見たと思えました。

いざタシュクルガンへ!?最悪の事態発生

そんなわけで空の旅も快適に過ごし、無事カシュガルに到着。前回カシュガルを訪れた際は、空港に両替所がなくてヒヤヒヤしましたが、今回は成都でお金をおろしてあるので安心して行動できます。

いつもであればカシュガルで1泊してからタシュクルガンに向かうのですが、今回は成都で1日ロスしていることもあり、無理やりタシュクルガン行きのシェアタクシー乗り場に向かいます。カシュガルへの到着時間がだいたい3時でしたが、それでもなんとかなるものです。

まあカシュガルの場合、中国とは言っても西の果てですから、実際は北京と比べて相当に時差があります。なんといってもキルギスやパキスタンと隣り合わせの位置ですからね。

ウイグルには新疆時間というローカル時間があり、これが北京と2時間差。カシュガルとウルムチの距離も相当なものですから、現実には3時間程度の違いがあるとみて良いでしょう。つまりカシュガルの到着時間が3時と言っても、現地の感覚的にはそれほど遅い時間ではないんですね。

タシュクルガン行きのシェアタクシー乗り場に15時40分頃到着。あいにく人が集まっていなかったので、荷物を預けてご飯を食べに。実はこのタシュクルガンタクシー乗り場付近にあるラグメン屋さんが美味しいのです。麺もシシカバブも。ご飯も食べて16時30分頃に出発。順調に検問を越え、ついにタシュクルガンへ……。

と思いきや、ここでありえない問題が発生。最後の検問で「行くな」と言うのです。なんとタシュクルガンへの個人旅行が禁止されたとのこと(後にカシュガルの宿で聞いたら、なんと昨日から!!)。粘りましたが、決まりだとの一点張り。

もう怒りと悲しみとで放心状態。なんのためにここまで来たのか、今回の旅はなんのためのものだったのかわからないと言っても良いくらいです。

怒りと悲しみを抱えカシュガルに帰還

放心状態のまま帰路へ。たまたまカシュガルに行く予定のドライバーに連れられカシュガルへ。パミール青年旅舎とカシュガル老城青年旅舎のどちらに行くか迷いましたが、夏は多くの人が集まりそうな老城へ。

同室の日本人とおしゃべりをして、悲しみを抱えたまま眠りにつきました。


ひたすら悲しみにくれた1日。これから先、もう全くと言って良いほど計画していません。さて、どうやって旅を続けましょうか。

雨のち晴れ。明日こそは、きっと晴れますように。