東チベット再訪。成都から康定、そして松茸鍋。


今年の夏休みは、2度目の東チベット旅行。

前回と違うのは、友達と2人での旅行というところです。今度結婚するという友達に、結婚したらなかなか行けないであろう、ちょっといくのが大変だけど「とっておき」の景色を見せたいと思ったんです。

 

そしてぼくがこれまで行った中でとっておきだと感じたところとして選んだのが、東チベットのアチェンガルゴンパでした。ラルンガルと並ぶチベット最大級の僧院であるにも関わらず、中国人にもなかなか知られていないところです。

しかし現在、山一つ挟んだ隣町のとの間(簡単に言いますが、挟んだ山の標高は4500超です)にトンネルが建設されていて、これが完成してアクセスがよくなったたら、きっと大量の観光客が流れ込んでくるに違いありません。

 

そんなわけで、今回もまずは時系列に沿って、アチェンガルゴンパを目指す旅の記録を残していきます。

職場から空港、そして熊猫夫人青年旅舎へ。

東チベット旅行の起点といえば成都。そして東京から成都に向かうといえばそう、四川航空ですよね。相変わらずの激安度合いで、今回も往復3万円程度でチケットを購入することができました。

相変わらずの安さで、もう大学生で「お金がないから旅ができない」とはいえない時代になってきたんだなぁと思います。3万円であれば、日本国内を移動するのと大差ないですからね。

 

四川航空は毎度2020成田発成都行が定番です。今回も、職場から空港に直行です。そして夜中に成都到着。宿は前回のウイグル旅の帰りに使ったミセスパンダユースホステル(熊猫夫人青年旅舎)です。

この青年旅舎は成都中心街の南部にあり、新南門という長距離バスターミナルの隣にあります。新南門はメトロの駅がある場所でもありますので、運転手に伝えたらすぐにわかります。

自分の場合、前回ミセスパンダに泊まった際にもらった住所などが書いてあるカードを持参していたので、それを空港でタクシーの運転手に見せました。空港からホステルまでだいたい50元でした。

まずは康定へ!松茸鍋でお腹いっぱいに

東チベットの旅で最も大変なのは高山病。今回の目的地アチェンガルゴンパも、標高が約4,000mあります。高山病になってしまったら、せっかくの旅行もきつさばかりが先立ってしまい、楽しめませんよね。

康定の標高が2,000mちょっとですから、まずは康定で体を慣らし、そこから徐々に標高を上げていくことにしました。成都から康定まではバスで約8時間。自分の場合は渋滞に捕まって9時間かかりました。

 

康定で今回やりたかったことの一つ、それは松茸を食べること。

産地らしく、安価で食べることができます。昨年も訪れたかったのですが満席で入れなかったキノコ鍋の繁盛店「菌王府」。康定への到着が9時、宿にチェックインして街に繰り出したのが10時頃だったのですが、なんとか入店できました。

 

この店、スープの基本料金プラス具材の料金で金額が決まる形式。スープは一番安いものを選び、そこに松茸その他の具材を入れます。松茸の値段が59元ということで、日本円にして1000円未満。これでもおいてある食材の中では最高級です。

今まで日本では松茸なんて、高くて食べようとも思ったことがなかったのですが、これくらいの値段であれば食べてみようと思えます。

 

実際に食べてみると「へー、松茸ってこんな感じか」というくらいの感想ですが、確かに香りは非常に良いと感じました。鍋のスープにもキノコの味が染み渡っていて、スープだけを飲んでも美味しいと感じました。

牛肉やらキノコやら、食べたいだけ食べて、男2人で300元程度。日本円にして5,000円くらいになりますが、好き放題高級食材を食べての値段だと思えば、非常に安いと感じます。おそらく東チベットを訪れる時にはまた訪ねることになると思います。

 


 

そんなこんなで、東チベット旅の第一日目が終了します。次の日は朝6時発のバスで、ガンゼへ。康定からガンゼも、成都から康定までと同様に8時間程度かかります。この8時間は、特に初めての人にとっては美しい景色に目を奪われるでしょう。友人もバスからの眺めを楽しんでいました。

雨のち晴れ。東チベットのこの時期は雨が多いのです。

 

※ ちなみに、今回成都でクレジットカードのキャッシング機能を使おうとしたところ、ATMにカードが飲み込まれて帰ってこなくなりました。やはり多少は現金も持ってきておいた方が良さそうですね。みなさまお気をつけくださいませ……。


東チベットの行き方まとめー信仰に生きる人々を訪ねて


今年の夏休みは東チベットへの撮影旅行でした。ところでみなさん、東チベットって言われて、何のことだかわかりますか?

「チベット」と言うだけならチベット自治区のことだと考えるでしょうが、実はチベット文化はチベット自治区以外にも存在します。大きく、自治区、インドのラダック、ネパール、ブータン、そして東チベットになります。

 

この東チベットですが、中国の四川省や雲南省や甘粛省等に広がっています。しかしぼく達が東チベットについて語るとき、カムとアムドという地方の名前で呼びます。今回ぼくが訪れたのは、このうちのカム地方で、チベット圏でも最大級の寺院であるラルンガルゴンパやアチェンガルゴンパが存在します。もう一方のアムドには九寨溝やラプラン寺などがあります。

東チベットは、これまで一部のチベット好きや旅行マニアの間でのみその存在が認識され、一般の人にはその存在すら知られていませんでした。

というのも、この東チベット地域については地球の歩き方にすら案内がなされていないのです。正確には、一部シャングリラなどの地名が知られてはいますが、まとまってチベット文化圏として紹介されている大衆向けの本はありませんでした。そして、非常に交通の便が悪いため、短期の旅行ではなかなか訪れにくい場所であるがために、今でも一般に旅行先として勧めにくい場所になっています。なんせ成都から直接カムの中心地ガンゼまで行くにしてもバスで18時間、中継時間を挟むと丸2日かかってしまうのですから。

 

そして、他のチベット地域同様、標高が非常に高く、ぼくが訪れたガンゼで3300m、アチェンガルゴンパについては3800mもありました。ガンゼからアチェンガルに向かう道路などでは4000mを超えますし、景勝地としても名高いリタンでは、その町自体が4000mを超えているそうです。

こんな秘境そのものといっても良い土地柄ですから、地球の歩き方ですら詳しい歩き方を載せていません。ですから、旅の情報は経験者が体験談を記したブログとか、旅行人のチベット(これが最も詳しいと思われます)から得るくらいしか方法がありません。しかも、情勢がコロコロ変わる地域。最新の情報は結局現地で仕入れていくしかないんです。実際、ぼくが訪れた際も、バスターミナルの位置が変わっていました(たぶんこのバスターミナルを初めて使った日本人はぼくです。オープン2日目だったので)。

 東チベット旅行の計画と実際の道程

今回、ぼくが急ごしらえした旅行プランは以下のとおりです。


1日目:日本→成都

2日目:成都→ガンゼ

3日目:ガンゼ→アチェンガル

4日目:アチェンガルに終日

5日目:アチェンガル→ガンゼ

6日目:ガンゼ

7日目:ガンゼ→ラルンガル

8日目:ラルンガル

9日目:ラルンガル→成都

10日目:成都

11日目:成都→日本


そして、実際にどう動いたかというと、こんな感じになります。

1日目:日本→成都

2日目:成都→康定(カンディン)

3日目:康定(カンディン)→ガンゼ

4日目:ラルンガルにトライするも失敗(アチェンガルに長めにいることにする)

5日目:ガンゼ→アチェンガル

6日目:アチェンガル(高山病で死にかける)

7日目:アチェンガル→ガンゼ(死にそうだったので早々に退散)

8日目:ガンゼ→康定(カンディン)

9日目:康定(カンディン)→成都(ちゃいなホリデーのため、超渋滞)

10日目:成都

11日目:成都→日本


あまりにも予定と違いすぎて笑えますが、旅行ってこんなもんだと思います。

東チベットは政情が不安定です。チベットと中国漢民族の確執は有名ですが、今でも緊張状態が続いています。ぼくは今回、ラルンガルゴンパに行きたいと考えていましたが、外国人は入れないと言われ、泣く泣く元いた町に引き返すことになりました。9月末現在、政府がラルンガルに広がる僧坊のうち外側に位置するものを破壊したりしているそうです……。

 

また、風邪をひいてしまい、急激に体力が低下。アチェンガルゴンパでは寒気とだるさ、高山病による大変な顔のむくみなどに襲われました。高山病って死に至ることもある病気ですから、かなり怖かったです。

こういった短期の旅行で、しかもよくわからないようなところに行く場合にはアクシデントがつきものです。ラルンにしてもアチェンにしても、そして帰りの渋滞にしても、必ずしも想定していたものではありませんでした。もし1日の余裕もなく渋滞に巻き込まれていたら、日本に帰れるかどうか不安で仕方がなかったことでしょう。そんなわけで、多少の余裕を持つことが旅行成功の秘訣だなぁ、と改めて感じました。

 東チベット周遊の経験から次の旅人へ

今回、ざっと回ってみて感じたことをメモしておきます。ぼくがいろんな人のブログを参考にさせてもらったのと同様に、これから東チベットを訪れる人がぼくのブログを参考にしてもらえると嬉しいです。

 

東チベット・カム地方の周遊においては、リタンとアチェンガル、そしてラルンガルゴンパの3箇所をまわるのが理想ですが、ぼくのように日数が少ない場合には、最初からラルンガルとアチェンガルに絞った方が賢明な気がしています。ぼくが東チベットを再度訪れるとしたら、リタンとシャングリラなどの南部を中心にまわると思います。

また、ぼくは当初、康定に寄る予定はなかったのですが、あまり体調が良くなかったこともあって、多少のんびり目に移動することにしました。高地への慣れという意味でも、康定で一泊しておいたことはプラスに働いていたと思います(というかこれがなかったら生きていたかどうか……)。死にかけた身から言わせてもらうと、本当に高地をなめたらダメです。顔がパンパンに膨れ上がって、右目がつぶれかけました。「いのちだいじに」です。

あと、この地域も日差しが強いです。リップクリームと日焼け止め・ニベア的なものは必須だと思います。特にこの地域は食べ物が辛いので、唇がやられるとかなりしんどいです。もし万が一忘れてしまったら、超市で買いましょう。

 東チベット関連記事一覧

個別の記事については、こちらからどうぞ。

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東チベットは、旅人であれば一度は訪れてみるべき土地だと思います。ぼくは結婚を控えた友人に、なんとか結婚前の自由がきく時期に一度は見せてあげたいと思っています。この地域は、一生の間に絶対に見るべきものの一つに挙げて良いくらいです。それくらいにぼくたちの日常から離れ、かついろいろと考えさせられる地域です。

雨のち晴れ。どんな雨もいつかはあがるよね。

2016.10.18執筆、2016.12.24リライト