丹巴(ロンダク)へ。ギャロンチベットと石塔で有名な美人谷。【東チベット再訪その4】


アチェンガルから直で康定へ。1泊して丹巴へ。

東チベットというとどうしてもラルンガルとかアチェンガル行きになってしまい、どうも足が向かなかった丹巴。行きたい行きたい思っているうちに結局行かずじまいになってしまうのも嫌だったので、とにかく一度行ってみることにしました。春の梨の花の季節と紅葉の季節が特に美しいみたいですね。

 

丹巴といえば、他の東チベット地域とは異なり、ギャロンチベット族という民族が住んでいます。雲南や東南アジアの少数民族に近い、ちょっときらびやかな衣装をまとっているのですが、特に特徴的なのは女性の頭飾り。三つ編みみたいなやつがおでこの上あたりにドカンと乗っかっています。

ギャロンチベットの女性

3時間で行けるはずが今は4時間かかります

康定から丹巴までは、通常バスで2時間半から3時間程度の道のりです。東チベットで7時間とか8時間の移動を当たり前にしていると、かなり近いという感覚になると思います。

しかし!今はプラス1時間かかります。というのも、山を越えるところの道路が崩れてしまったため、途中でボートに乗り換えて川を移動する必要があるからです。友達は珍しがっていましたが、川自体が綺麗なわけでもないし川の移動自体は非常に短い時間なので、楽しいとは言い難いです。

ここをボートで5分程度。

伝統的建造物とギャロンチベットの世界

有名な美人谷。標高は2000m未満ということで、東チベット地域の中ではかなり低い部類に入ります。4000近い高地を旅して来たあとだとかなり楽に感じます。そして気温も高いです。

 

バスは街の端にあるバスターミナルに着きます。周りはthe街。ここだけでは谷って感じがしません。そして美人は何処に?高齢者ばかりな気が。昔は美しかったのだろうか……。ちなみに現代的感じは見られます。

気を取り直して、地球の歩き方に乗っている観光スポットへ。まずは梭坡と呼ばれる景色の良いビューポイントへ。感想は……うん、景色が良いね(以上)。様々な絶景を見て来たあとだと、どうしても感動が薄れてしまいます。ここが目的地だったら、きっとかなりはしゃぐと思うのですが。

対岸に行きたいものの、連れてこられたあとだと渡れません。最初から村に連れて行ってもらった方が良いと思います(それくらいビューポイントは感動が薄いです)。

 

(ここで友人が蜂に刺されるというトラブル発生。宿で様子を見る。)

 

そして次は甲居。中国で最も美しい村に選ばれたというすごい場所です。タクシーで30分もかからない場所にあり、簡単に訪れることができます。遊歩道も整備され、あちこちに道を示す看板が。

ここは単に景色を見るというよりも、ちゃんとそのエリアをぐるりと歩き回ることをお勧めします。現地の看板を見ると2時間コースや3時間コースと書かれていました。

ぼくは夕方に訪れたのですが、おそらく午前中の方が光が刺して美しいです。夕方になると影になってしまい、光のコントラストが失われてしまいます。

甲居の風景。昔ながらの建築が美しいです。

……というわけで、完全に有名な観光地になっていました。それはそうですよね、中国一美しいなんて言ったら、中国人観光客が大挙して押し寄せますよね。

今も美しい住居や石の塔は残っていて、それは素晴らしいのですが、昔ながらの雰囲気を見たいと思っていたのでちょっとがっかりしました。本当、ここもすごく良い感じなんですよ。アチェンガルを見たあとだったということで、残念に思えたのは仕方がないこと!

成都へ帰ろう(おまけ・成都編)

丹巴からついに始まりの地、成都へ。バスのチケットが取れず乗合タクシーにしたのですが、トータル5時間程度で着きました。予定よりもだいぶ早いです。

成都と丹巴の間にある山々も景勝地としてすごく有名だそうですが、これも残念ながらアチェンガル近辺の景色には及びません。

 

成都に着いたらタクシーに乗り換え、また新南門のミセスパンダへ。

成都では前回訪問時同様、錦里や陳麻婆豆腐店、そしてパンダ繁殖基地を見ました。友人は特に子供のパンダが遊んでいるところを見てはしゃいでいました。

都会から離れたところばかり旅しているような人は、あまりパンダに興味がないかもしれません。実際、自分も時間が余ったという理由だけでパンダを見に行ったので、気持ちはよくわかります。でも、いざ見てみるとすごく可愛く、はしゃがずにはいられません。食わず嫌いにならず訪れてみることをお勧めします。


↑ 東チベット地域の例外として、丹巴は歩き方に載ってます。

ぼくの中で、丹巴はちょっとがっかりスポットでした。

でも多分、それは自分が観光地化されていない場所に行きたいと思っていたからであって、むしろちゃんと整備されている方が好みという人にとってはすごく良いところだと思います。甲居の伝統的住居に泊まることもできるみたいですしね。

雨のち晴れ、きっと明日は晴れるよね!


アチェンガルゴンパ2017。再訪して隅々まで巡ってみることで見える全体像。【東チベット再訪その3】


甘孜で1日半ほど過ごし、ついに今回の目的地であるアチェンガルゴンパへ。甘孜で1日体を慣らしたこともあり、高山病気味の体の不調はすっかりよくなりました。

ここから乗り合いバンで45元、所要は2時間半から3時間の場所に目的のアチェンガルゴンパがあります。ちなみに乗り合いバンは大通りからデンゴンパに入っていく入り口付近にあります。近くを通るとたくさんの客引きが声をかけて来るはずですので、すぐに分かります。

甘孜→アチェンガルゴンパの道は絶景!

世界中に絶景ロードと呼ばれる道はたくさんありますが、少なくともぼくが今までに訪れた地域の中では1、2を争う素晴らしさです。ウイグルからフンザに向かうカラコルムハイウェーも素晴らしいのですが、こちらはそれとはまた一味違った雰囲気です。

甘孜の標高が約3,300、アチェンガルゴンパの標高が3,900m程度ですから、標高差は600mです。しかし実際にアチェンガルに向かう際には、大きな山を超えてアチェンに向かって下っていくコースを辿りますから、実際は4,500程度までは登っていくことになるのではないでしょうか。

最高地点から眺める山。見えているこの道を登ってきた。

徐々に道を登るとヤクが草を食み、山は荒々しさを増していきます。一緒に旅した友人は、「ヒマラヤよりずっと格好良い!」と興奮していました。あとは実際の風景をご覧あれ。実際に行ってみるとその何倍もダイナミックさを感じますよ!

初夏のアチェンガルは美しいグリーン。

アチェンガルゴンパの夏は短いです。草が青々としているのは6月から8月までの3ヶ月だけ。前回訪れた時は9月でしたが、すでに草が黄色くなり始めていました。

前回同様、乗り合いバンが到着してすぐのところにある「亜青賓館」にツイン120元でチェックインし、荷物を置いて散策です。定番の丘の上からの眺めを堪能したのち、あちこち歩き回ってみることにしました。

アチェンガルゴンパ。この僧房群には女性だけが住んでいる。

友人が「原っぱ」とか「牛」が好きだというので、アチェンガルの女性集落が見えるさらに奥に行ってみることにしました(実際のところ、友人は牛やヤクの写真ばかり撮影。ぼくは微笑ましいなと思いながら眺めていました。)。

原っぱには僧侶達の簡易テントとたくさんのヤクが。その部分だけ切り取れば、イメージ通りの昔ながらのチベットの風景です。

 

ぼくが訪れる直前の2週間はずっと曇り続きだったらしいのですが、なんとこの日は晴れ。夏らしい入道雲と青空が見事なコントラストを見せていました。

 

ウロウロしていると、しばらくアチェンに滞在している漢民族の女性と3人の僧侶に出会いました。ぼくと漢民族の女性は英語で会話、女性と僧侶は中国語で会話という形。ぼくが話したことは女性が通訳してくれます。

彼ら・彼女に誘われ、原っぱを突き進みます。しばらく歩いていくと、少年僧達が綱引き大会を行なっています。綱引きが終われば今度は皆で音楽を流し輪になって踊り始めました。

草原で踊る少年僧。

外野からのイメージは神聖な祈りを捧げているイメージのチベット僧ですが、綱引きをしたり踊ったりしているのを見ると、すごく人間らしさを感じました。

お坊さんのお家でツァンパを食べる。

この時期は毎日のようにスコールが降るので、名残惜しい気持ちを抑えて街の方面へ。するとお坊さんが家に来いと言い出します。ぼくも友人も興味があったので、一緒に行って見ることにしました。

 

家は8畳くらいでしょうか。老いた尼僧がじっと座ってマニ車を回しています。お坊さんの勧めで、ツァンパというチベットの主食をいただくことができました。小麦と思しき粉にバター、そしてお茶を混ぜ合わせます。素手でこれらをこねて粘土状にしたものをいただきました。

正直なところ、お世辞にも美味しいとは言えません。そして粘土状になったものを食べること自体抵抗感があります。しかしお坊さん達の好意を無にすることもできず、終始美味しい美味しいと言って食べることにしまいした。

なんとか食べきることはできたのですが、見た目以上に重たい食事となりました。そして、その後さらにレストランで夜ご飯。友人はすでにツァンパでお腹いっぱいになっていたのですが……。

そんなこんなをしていると、すっかり夜も遅くなっています。7月中旬のこの地域は、20時を過ぎないと暗くなって来ませんから、ついつい遅くまでアクティブに出歩いてしまいます。もうあとは宿でぐっすり眠るだけ。と言いつつ、高地なので眠りが浅くなりがちなのですが。

外周ぐるりと男エリアへ

前日の原っぱはものすごく良かったのですが、せっかく来たということでまだ行ったことがない場所へ。

まずはアチェンの尼僧エリアの周囲をぐるり。この日はご飯作りの日かのか、尼僧が寺院にボウルを携えてやって来て、そこで主食となるツァンパ作りに励んでいました。ものすごい数の尼僧がみんなで粉をこねている姿は壮観です。

途中で高僧がやって来ると、皆作業そっちのけで手を合わせていたあたりは、さすがチベット仏教の大僧院といったところでしょう。

 

島っぽいところが女性専用エリアであるのに対し、アチェンホテルの近くにある丘近辺は男性エリアになっています。男としては、男エリアの方が気楽で良いですよね。そもそも女性エリアには外周以外入れませんし。

所狭しと並ぶ僧の住居を間近で見られるので、足を運んでみる価値ありです。集落の中は、つぎはぎ的にできていったからか、複雑に入り組んでいて迷います。でもそれが生の姿なんだな、と感じました。

男性の僧坊群

ハイパーコルラ!巨大コルラをしていた

甘孜からアチェンに至る道の最終盤、アチェンホテルが最終地点のようにも見えるマニ車の列があります。これ、実はアチェンの丘をぐるりと取り囲むようにして作られている、巨大なコルラ用の道でした。

前回来た時も気にはなっていたのですが、結局高山病が酷すぎて何かを調べることができず。今回調べてみました。

このときはコルラをするための道だなんて思っておらず、マニ車を左手に辿ってみることにしました。歩けども歩けども道は続き、しかも雨が降って来そうな天気に。

 

そのとき、前方から歩いて来た人に話しかけられます。チベット語なのでよくわからなかったのですが。こちらがわからないそぶりを見せると、今度は身振りをつけて教えてくれます。

ん?反時計回りがダメで、時計回りが良い??と、ここでようやく自分たちがコルラを逆走していることに気づきました。そもそもマニ車がある以上、右手にマニ車を見据えながら歩くのが基本でした。基本中の基本を忘れていて、非常に申し訳ないことをしました。

ハイパーコルラの入り口。アチェンガルゴンパを巡ればこのタルチョが川にかかる様子は必ずみるはず。

写真のようにタルチョが川にかかる場所があります。アチェンに行けば必ず目にします。その場所がハイパーコルラの入り口、そこから丘をぐるりと回るようにして、アチェンホテルの位置まで戻って来れます。

ぼくのように間違わないで、正しくコルラをしてください。

 

 

そんなこんなで、あっという間に2日が過ぎてしまい、翌日にはアチェンガルを発ちました。ぼくにとっては一度訪れたことがある場所でしたが、2回目に訪れてもやはり素晴らしい場所でした。

今後、甘孜からアチェンに向かう際に通る山にトンネルが開通します。きっと大量の観光客が訪れるようになり、アチェンの風景も様変わりすることでしょう。

素朴なアチェンをみたいのであれば、早いうちに訪れることをオススメします。

 

雨のち晴れ、きっと明日は晴れるよね。

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