東チベットの行き方まとめ ー信仰に生きる人々を訪ねて


※ 2016年の初東チベットと2017年の再訪をまとめました。

2016年の夏休みは東チベットへの撮影旅行でした。また、非常に素晴らしかったので2017年には、友人と共に再度訪れています。東チベットは非常に奥深い世界で、なんども行きたくなってしまいます。この記事では、東チベットってなんぞや?というところから昨年と去年、ぼくが訪れたときの記事をまとめてあります。


ところでみなさん、東チベットって言われて、何のことだかわかりますか?

「チベット」と言うだけならチベット自治区のことだと考えるでしょうが、実はチベット文化はチベット自治区以外にも存在します。大きく、自治区、インドのラダック、ネパール、ブータン、そして東チベットになります。

 

この東チベットですが、中国の四川省や雲南省や甘粛省等に広がっています。ぼく達が東チベットについて語るとき、カムとアムドという地方の名前で呼びます。

ぼくが訪れたのは、このうちのカム地方。チベット圏でも最大級の寺院であるラルンガルゴンパやアチェンガルゴンパが存在します。もう一方のアムドには九寨溝やラプラン寺などがあり、そっちはそっちで素晴らしいと聞いています。ざっくりとした違いは、カムはゴンパなどの文化系、アムドは草原が広がる自然系だそうです。

東チベットは、これまで一部のチベット好きや旅行マニアの間でのみその存在が認識され、一般の人にはその存在すら知られていませんでした。

というのも、この東チベット地域については地球の歩き方にすら案内がなされていないのです。正確には、一部シャングリラなどの地名が知られてはいますが、まとまってチベット文化圏として紹介されている大衆向けの本はありませんでした。

そして、非常に交通の便が悪いため、短期の旅行ではなかなか訪れにくい場所であるがために、今でも一般に旅行先として勧めにくい場所になっています。なんせ成都から直接カムの中心地ガンゼまで行くにしてもバスで18時間、中継時間を挟むと丸2日かかってしまうのですから。

 

そして、他のチベット地域同様、標高が非常に高く、ぼくが訪れたガンゼで3300m、アチェンガルゴンパについては3800mもありました。ガンゼからアチェンガルに向かう道路などでは4000mを超えますし、景勝地としても名高いリタンでは、その町自体が4000mを超えているそうです。

こんな一般に秘境そのものといっても良い土地柄ですから、地球の歩き方ですら詳しい歩き方を載せていません。ですから、旅の情報は経験者が体験談を記したブログとか、旅行人のチベット(これが最も詳しいと思われます)から得るくらいしか方法がありません。しかも、情勢がコロコロ変わる地域。最新の情報は結局現地で仕入れていくしかないんです。

実際、ぼくが訪れた際も、バスターミナルの位置が変わっていました(たぶんこのバスターミナルを初めて使った日本人はぼくです。オープン2日目だったので)。

↑東チベットはこの本に詳しいです。歩き方にはほぼ載っていません。

 東チベット旅行の計画と実際の道程

2016年の初回訪問時、ぼくが急ごしらえした旅行プランは以下のとおりです。


1日目:日本→成都

2日目:成都→ガンゼ

3日目:ガンゼ→アチェンガル

4日目:アチェンガルに終日

5日目:アチェンガル→ガンゼ

6日目:ガンゼ

7日目:ガンゼ→ラルンガル

8日目:ラルンガル

9日目:ラルンガル→成都

10日目:成都

11日目:成都→日本


そして、実際にどう動いたかというと、こんな感じになります。

1日目:日本→成都

2日目:成都→康定(カンディン)

3日目:康定(カンディン)→ガンゼ

4日目:ラルンガルにトライするも失敗(アチェンガルに長めにいることにする)

5日目:ガンゼ→アチェンガル

6日目:アチェンガル(高山病で死にかける)

7日目:アチェンガル→ガンゼ(死にそうだったので早々に退散)

8日目:ガンゼ→康定(カンディン)

9日目:康定(カンディン)→成都(ちゃいなホリデーのため、超渋滞)

10日目:成都

11日目:成都→日本


あまりにも予定と違いすぎて笑えますが、旅行ってこんなもんだと思います。

東チベットは政情が不安定です。チベットと中国漢民族の確執は有名ですが、今でも緊張状態が続いています。ぼくは今回、ラルンガルゴンパに行きたいと考えていましたが、外国人は入れないと言われ、泣く泣く元いた町に引き返すことになりました。

2016年9月末現在、政府がラルンガルに広がる僧坊のうち外側に位置するものを破壊したりしているそうです……。2017年7月も状況は変わらず、通常ルートでラルンガルに行くことはできません。

 

また、2016年の訪問時は風邪をひいてしまい、急激に体力が低下。アチェンガルゴンパでは寒気とだるさ、高山病による大変な顔のむくみなどに襲われました。高山病って死に至ることもある病気ですから、かなり怖かったです。

こういった短期の旅行で、しかもよくわからないようなところに行く場合にはアクシデントがつきものです。ラルンにしてもアチェンにしても、そして帰りの渋滞にしても、必ずしも想定していたものではありませんでした。

もし1日の余裕もなく渋滞に巻き込まれていたら、日本に帰れるかどうか不安で仕方がなかったことでしょう。そんなわけで、多少の余裕を持つことが旅行成功の秘訣だなぁ、と改めて感じました。

 東チベット周遊の経験から次の旅人へ

今回、ざっと回ってみて感じたことをメモしておきます。ぼくがいろんな人のブログを参考にさせてもらったのと同様に、これから東チベットを訪れる人がぼくのブログを参考にしてもらえると嬉しいです。

 

東チベット・カム地方の周遊においては、リタンとアチェンガル、そしてラルンガルゴンパの3箇所をまわるのが理想ですが、ぼくのように日数が少ない場合には、最初からラルンガルとアチェンガルに絞った方が賢明な気がしています。ぼくが東チベットを再度訪れるとしたら、リタンとシャングリラなどの南部を中心にまわると思います(結局アチェンガル再訪になった。シャングリラ周辺は中国人観光客でごった返しているそうです)。

 

また、初回の2016年訪問時、ぼくは康定に寄る予定がなかったのですが、あまり体調が良くなかったこともあって、多少のんびり目に移動することにしました。

高地への慣れという意味でも、康定で一泊しておいたことはプラスに働いていたと思います(というかこれがなかったら生きていたかどうか……)。死にかけた身から言わせてもらうと、本当に高地をなめたらダメです。顔がパンパンに膨れ上がって、右目がつぶれかけました。「いのちだいじに」です。

2017年の訪問時は、ガンゼで若干高山病の気配を感じたため、1日ガンゼで体慣らしを行いました。そのお陰か、アチェンガルではほとんど苦しむことなく歩き回ることができました。ちなみに、高山病用の漢方薬はミセスパンダに売っています。

あと、この地域も日差しが強いです。リップクリームと日焼け止め・ニベア的なものは必須だと思います。特にこの地域は食べ物が辛いので、唇がやられるとかなりしんどいです。もし万が一忘れてしまったら、超市で買いましょう。

 東チベット関連記事一覧

個別の記事については、こちらからどうぞ。

【初めての東チベット 2016年9月】

康定にも見どころあり!東チベット・カム地方の州都でまち歩きを。

甘孜で美しい山々と自然なチベット世界を満喫!問答風景も!

甘孜で温泉!東チベットの個室風呂で「い〜湯だな!」

アチェンガルゴンパ:祈りに人生を捧げる天空の街

成都でパンダと麻婆、お土産購入!

【東チベット再訪 2017年7月】

東チベット再訪。成都から康定、そして絶品松茸鍋。

甘孜(ガンゼ)を満喫!ゴンパにピクニックに温泉!

アチェンガルゴンパ2017。再訪して隅々まで巡ってみることで見える全体像。

丹巴(ロンダク)へ。ギャロンチベットと石塔で有名な美人谷。


東チベットは、旅人であれば一度は訪れてみるべき土地だと思います。ぼくは結婚を控えた友人に、なんとか結婚前の自由がきく時期に一度は見せてあげたいと思い、2017年に連れていったほどです。

この地域は、「一生の間に絶対に見るべきもの」の一つに挙げて良いくらいです。それくらいぼくたちの日常から離れ、かついろいろと考えさせられる地域です。

今後、中国の劇的な変化の波に押され、今後急速に変化していくことでしょう。早めに訪れることをお勧めします。

雨のち晴れ。どんな雨もいつかはあがるよね。

2016.10.18執筆、12.24、2017.0806リライト


成都で話題の熊猫夫人青年旅舎!ミセスパンダは超快適。


東チベットを目指す日本人がまず最初に降り立つのが成都。

これまではSIMSという日本人経営のゲストハウスが圧倒的に有名だったと思うのですが、ハローチェンドゥゲストハウスという名で経営者も変わってしまいました。変わってもなかなか快適なんですけどね。

一方、最近は熊猫夫人青年旅舎(ミセスパンダユースホステル)が話題に上ることが多くなっていて、ぼくも気にしていました。そんなわけで、カシュガルからの帰りに立ち寄っていました。また、このウイグル旅行を行った同じ年の夏にももう一度成都を訪れ、再度こちらの宿にお世話になりました。

ちなみに呼び方はミセスパンダが一般的ですので、以下ではミセスパンダと書きます。

交通飯店の隣にあるミセスパンダ。というか一体化しています。

東チベット旅行に最適な立地!

夜に成都に到着し、空港からタクシーで迷いつつでも60元。今回の旅では同じ宿に泊まる日本人と偶然知り合ったため、移動費は半額の30元で済みました。

 

歩いて5分以内にローカルな食堂がたくさんありますし、10分も歩かないところに24時間営業のセブンイレブンもあります。

中国に来たことがない人であれば、その辺を歩くだけでも楽しめそうですし、慣れた人にとっては、たまに食べたくなる日本製品を手軽に入手できるセブンイレブンが近くにあることが大きなメリットになります。

 

何より、新南門の駅の近くに立地しているということで、各地に向かう長距離バスが発着するバスターミナルにも近いことが素晴らしいです。東チベット旅行を計画している人にとって最高の立地と言えるでしょう。

だって宿の隣が東チベット方面のバスターミナルですよ?徒歩で2分程度です。

 

ちなみに、交通飯店というチェーンのホテルに併設されています。ゲストハウスとホテルが合体していて、ぼくのドミトリーもホテルの中にありました。

 

また、成都から日本に帰る際も安く空港まで移動できます。ユースホステルから徒歩10分程度の場所に空港行きのバス乗り場があり、10元で空港まで行くことができます。2人以上でしたらタクシーで行ってもさほど変わらないと思いますが、1人ならちょっぴり安いですね!

ミセスパンダは格安。そして快適。

まず基本的なところで言えば、宿泊費はもっとも安いドミトリーで35元。おそらくアゴダ経由で申し込んだ方が安いですが、宿で直接申し込んでも大した額ではありません。インターネットはサクサク進み、シャワーはすぐに熱いお湯が出ます。ホテルに併設ということもあり、少なくともぼくが泊まった感想としてはかなり清潔な感じを受けました。

 

ぼくにとって旅の重要な要素の一つである、だらだらビールを飲む環境も整っています。大瓶の青島ビールが8元(150円くらい)。

最近は日本人が数多く集まっていますので、話し相手にも困りません。旅好きが集まっているので、話を聞いているだけもすごく楽しいです。事実、ぼくが訪れたときも世界一周中の人、仕事を辞めた人、写真を撮り歩いている人など多様な方々に出会うことができました。人との出会いは旅の醍醐味です。

 

ぼくは使いませんでしたが、カフェや食事を取るスペースもしっかり確保されていて、これはこれで便利そうでした。土曜には火鍋パーティーも行うようです。

 

また、東チベット旅行において難敵となる高山病。この高山病に対策の漢方薬も置いていました。確か35元。値段ははっきり覚えていませんが、ぼくは次に行くときは日本で病院に行って薬をもらうなんてことは必要ないと判断する程度の価格でした。

まあ、自分は高地に強い方なので高山病の薬をもらいに病院に行ったことはないのですが。そうは言っても、いざという時のことを考えると持っていた方が安心ですよね。

スタッフに心から感謝

2017年の夏にあらためて成都を訪れ、その際もこのゲストハウスを利用させてもらいました。この夏は友人と一緒。アチェンガルまでの旅路をなんとかかんとか終えて成都につき、夜店で買い食い。そして友人のアレルギー反応。
完全に私たちの注意不足だったのですが、本当に焦りました。中国の病院なんて知らないですし、でも自分の隣では友人が苦しんでいるし。

そんな時、ここのスタッフが助けてくれました。病院の位置を教えてくれるだけではなく、なんと中国語が分からない私たちのために、21時から0時くらいまで付きっ切りです。「申し訳ないから」と何度か申し上げたのですが、それでも心配して付き添ってくれました。感謝しても仕切れないほどです。


今回使ってみて、「次に成都に来たらまた使いたい」思いました(実際に2回目も使いました)。価格、立地、快適さのどれをとっても非常に高いレベルでバランスが取れているゲストハウスです。自分の友達に良い宿を教えて欲しいと言われたら、迷わずこの宿を勧めることができます。

雨のち晴れ。東チベットで最高の体験を。

 

2017.0519投稿, 0730リライト