三段跳のコツは?特にステップで潰れてしまう人は必読!


三段跳と言えば、ホップ・ステップ・ジャンプの3つのジャンプで構成される陸上競技の一種目です。日本人がオリンピックで初めて金メダルを獲得した種目であり、初の獲得から3大会連続で日本が金を獲得したお家芸でした。

三段跳は他の種目以上に初級者と中級者以上の実力差が大きく現れる種目です。特にステップとジャンプをバランスよく跳ぶのが初級者にとって非常に難しいです。高いスピードを保ったまま、空中で自分から地面を捉えにいくという積極的な動きをするためには、長く地道な反復練習が必要となります。

 

1年前、初心者が走幅跳に取り組む際に最初に気をつけるべきことを書きました。三段跳でも助走部分は走幅跳と同じだと思って大丈夫です。もちろん、本来差はあるわけですが、それは基礎ができるようになってから考えれば良いです。

1年が経過したということもあり、ちょうど良いタイミングです。今回は、三段跳の初心者が最初に気をつけるべき「コツ」について書いてみます。

初心者がホップで陥りやすい「ワナ」

三段跳を始めたばかりの人がやりがちなのが、ホップの踏切を走幅跳と同じ感覚で行ってしまうこと。つまり、走幅跳と同じ角度で飛び出してしまうということです。こうするとホップの高さが出て1歩目の距離は出るわけですが、高く飛びすぎてステップにつなげられません。

 

上級者の三段跳を考えてみれば良いと思いますが、できる人の多くは「ターン、ターン、ターン!」とバランスの良いリズムで跳躍しています。他方、ホップを高く大きく跳ぼうとする初級者の場合、「ターーン、タターン」とステップがジャンプのための踏切準備のようになってしまいます。

これは、ホップで高く飛びすぎたがために、ステップで前に進むための踏切動作をとれないことが原因です。

 

では、どうやってホップを跳べば良いのでしょう?

ぼくは、「前に駆け抜ける」感覚が重要だと考えています。特に「上に」ではなく「前に」を強く意識することが重要です。前方に並行移動してあげるくらいのイメージで良いです。

力強くステップ・ジャンプができない原因

ぼくが大学生に指導やアドバイスを求められていた時期に感じた特に大きな問題点は3つです。1つは、自分から積極的なステップができていないこと、2つ目はつま先が落ちていること、最後の3つ目は接地で体をうまく乗せられていないこと、です。

 

・自分から積極的にステップに移行できない(ホップで体が浮いてから、自分の体が落ちてくるのを待っている)

自分からステップに移行できないというのは、何も初級者だけに限ったことではありません。高校生であれば、県大会入賞レベルでもできていないのがザラです。

これに関しては、流しの跳躍練習で意識しているくらいでは改善されません。基本でありながら高度な技術だと言えます。

 

ぼくが自分自身で試し、あるいは指導してみて効果が高かったと思うのが、幅跳びの踏切でホップを跳んで、砂場の上でステップを踏む練習です。

だいたい8から10歩程度の助走で軽くホップし、砂場の上でステップするだけです。自分からうまくステップに移行できている人は、綺麗に体が前に抜けていきます。うまくできていない人は、砂に埋もれたり体が前に突っ込んだりします。

このステップの重要な部分だけを取り出した練習を繰り返すことにより、体がステップのイメージを覚えていきます。ちなみに練習するときには「軽く」の気持ちが大切です。全力でやろうと思うと疲れてしまいますし、十分にステップの意識ができなくなるからです。

 

・つま先が落ちている

もう一つの大きな問題である「つま先が落ちている」は陸上競技の基本中の基本と言われることでもなかなかできていない場合が多いことを意味しています。

走りでも跳躍でも、ほとんどすべての場面で足首はL字に固定しておく必要があります。知識としては知っていても、他の華やかな技術の習得を目指して練習しているうちにおろそかになってしまうこともあるようです。

 

友達などに見てもらえればすぐわかると思いますが、バウンディングをしてみてつま先が落ちているようでしたら、すぐに修正しましょう。つま先が落ちていると、ステップなどで脚が体の前に出て来にくくなり、結果として余裕を持ってステップに移行できなくなります。

また、体の後方にある脚が流れてしまい、ステップ・ジャンプの際にタイミングよく接地することができなくなります。ステップ・ジャンプでは接地に向かう脚と後方から振り込む脚が体の真下で交差し、頭から膝までが一直線になることが理想なわけですが、つま先が落ちて脚が流れてしまうと、この理想の体勢が取れなくなってしまうのです。

 

このつま先問題ですが、ちゃんとできていれば、脚を前に差し出しやすくなり、余裕を持った跳躍を行いやすくなります。また、跳躍中に過度に脚が流れにくくなることでしょう。

これは、ホップからステップ、あるいはステップからジャンプにかけての移行動作を余裕を持って行いやすくなるということを意味していますから、結果としてステップ・ジャンプで潰れにくくなります。

つま先問題は、普段バウンディングの練習などで注意することで改善されていきます。根気強く取り組みましょう。

 

・接地で体がのっていない

先に書いた2つと密接に関係する話ですが、よく「体がのりこめていない」と言われるものです。一度分かってしまうとその感覚は当たり前のようにわかるのですが、初級者にとっては「そもそものってるってどういうこと??」と思うことも多いでしょう。

これを言葉で説明することは非常に難しいのですが、体重ないし力がまっすぐ真下に落ちている状態とイメージしてもらって良いと思います。くるぶし・腰・頭が地面と垂直に並んでいる状態と言っても良いでしょう。もしこれがずれていると、地面にしっかりと力を伝えることができません。

 

まっすぐに立ってみてください。少し体を前後に揺らしてみると、足の裏で体重がかかっている位置が変わりますよね。そうした時にくるぶしの真下に最も力がかかっている位置が「のっている状態」です。目をつぶって、体の各パーツの位置を確認してください。一直線に並んでいるでしょうか?

このくるぶしの真下というのが極めて重要です。三段跳の接地は「かかと」からと言われますが、意外とかかとの幅って広いですよね。このかかとの中でも特にくるぶしの真下あたりで接地するようなイメージを持ってください。

 

これを普段歩くときから意識しましょう。歩きでできるようになってきたら、軽いバウンディングでも。もちろんつま先が落ちないように気をつけてくださいね。繰り返しの練習で徐々に分かってくるはずです。

いかがでしたか。三段跳は他の種目よりも中級者になるのが難しい種目です。繰り返し練習することが必要不可欠です。でも逆に言えば、繰り返し練習することによって基礎的な技術を身につければ、ライバルに大きな差をつけることができます。

雨のち晴れ、きっと跳べるよ!

 

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※ 初級者のうちは、ダブルアームアクションには挑戦しないほうが良いです。上半身の強靭な筋力と、バランス感覚、タイミングをとる必要など色々と難しいことが多いです。他にやることはいっぱいあるはずですから、ある程度跳べるようになってから挑戦するのが良いと思います。

↑初心者用と言いつつ、かなり詳しいです。上級者の方はぜひご一読を。


体育学部って何してるの?イメージと異なるその実態。


最近、体育系、スポーツ系の学部が大幅に増えましたね。特に私学でその増加が著しいような気がします。でも実際体育学部って何をしているか知っていますか?

なんとなく体育・スポーツってひたすら運動ばかりやっている「脳筋!」って感じのイメージを持たれがちですが、本来的にどういうことを勉強することになっているかは、意外と知られていません。

もちろん、ひたすら運動ばかりしている大学もあるようですが、別にそればかりではないんです。ぼくは体育学科に入学し、体育学士を持っていますので、大学に通っていたころの経験から、体育学部の様子について紹介してみます。

 体育学部って授業で何してるの?

 

それで実際、体育学部って何してるんでしょう?ひたすら筋トレの勉強?そんなことはありません。

体育学部で勉強することを簡単に言ってしまうと、教養です。歴史や社会、心理などの文系の内容から、生理学や物理学、医学などの理系の内容まで、それらを体育・スポーツという切り口から見るものです。つまり、体育・スポーツを通して教養を学ぶということになります。

 

一例を挙げてみます。例えば体育学部における社会学は、スポーツ社会学と言われます。この授業の中で何をするのかというと、例えば甲子園の野球を題材にとって、人々は甲子園の野球・高校球児に何を求めているのだろうか?ということを考えます。なぜ高校球児は坊主なのか?なぜ炎天下の中でやらなければならないのか?眉毛を整えるのがダメと言われるのはなぜ?それは誰が望んでいるの?などなど、甲子園というビッグイベントを題材にして社会というものをみてみます。

また、箱根駅伝ではなぜタスキを渡せなそうな選手を殊更に映すのか?フラフラになってしまった選手を止めずに「汗と涙が染み込んだ襷」を強調してしまうのかといったことも取り上げていました。

 

今はスポーツ社会学を例にとりましたが、理系分野ではどうでしょう。おそらく、理系分野の方が、一般の人がイメージする体育学部のイメージに近いと思います。

たとえば、スポーツ生理学では皆でビルドアップ走(ゆったりジョギングから始めて徐々にペースを上げていく)をしながら脈拍と乳酸値を計測し、自分の最大酸素摂取量を把握しつつ、人間の生理機能について学んだりしました。

スポーツ医学では、マッサージやテーピングの方法について座学と実技両面から学びましたし、さらに熱中症などへの対処などの一般的にスポーツの現場で起きそうな自己への対処法などについても勉強しました。

 

このように、一つ一つは確かに体育・スポーツに深く関係するものなのですが、それら全てを学び終えてみると、結局のところひろく教養について学んだような気がしています。実際、体育学部で学んだことは就職試験の論文などで多用できました。

また、体育学部に入学する学生のほとんどが教員免許の取得も目指します。この免許取得にあたっては、教職科目と呼ばれる教員養成系の授業もたくさんとる必要があります。

教育心理学や、哲学、教職論といった授業のほか、教育実習などにも行かなければなりません。そうすると、思いの外授業で忙しい毎日が待っています。

 

 体育学部の実技の授業では何をするの?

 

先に座学系の授業を中心に書きましたが、体育学部ですから、体を動かす体育系の授業もあります。周りの人にそのことを言うと、「そこでトレーニングするんだ!」と言われるのですが、それは違います。体育学部の体育の授業では、運動の教え方について勉強します。

中学生や高校生が楽しく体育の授業を受けられ、しかも適切な技術を身につけるにはどうしたら良いのかを、自分たちで体を使って実際に試しながら学んでいきます。

 

この実技の授業ですが、様々な部活に所属する学生が一堂に受けるので、だいたいその道のエキスパートがいます。たとえば剣道の授業でインターハイで優勝した選手から竹刀の振り方を教わったり、ラグビーで日本代表になった選手からパスの出し方を教わることができます。このように一流の技を身近で感じられるというのは、体育学部の大きなメリットです。

一流の選手が、ぼくのように球技ができない人間にちゃんと優しく教えてくれます。お互いが専門分野を持っているし、得意なこともあれば苦手なこともあるってわかってくれるんですね。

 

 体育学部の部活について

 

ではどこで専門の競技について学ぶのかというと、やはりそこは部活でやることになります。

部活ですから課外活動ということになりますが、体育学部においては部活が重要な位置付けをされるので、授業もそこまで遅くなることはないように設定されています。ぼくが通っていた大学の場合、基本的には16時ちょっとで授業が終わり、そこから部活に行けるようになっていました。

 

大学の部活ですから、非常にレベルは高かったです。ぼくも県レベルなんかでは何度も優勝していましたが、大学でははっきり言って話にならないほどのレベルでしかありませんでした。同級生にはオリンピックに出るような選手を筆頭に、全国大会の表彰台に乗っているような選手がずらり。

自分が推薦入学しているくらいのレベルならいざ知らず、一般入試で入っている選手だと、入学時点での実力差がありすぎて、卒業までに大学代表選手になれない場合の方が圧倒的に多いと言えます。現実は本当に厳しいものです。

 

このように大学に入ると全体の競技レベルがかなり上がり、自分が選手になることすら大変になるのですが、それでも一流の選手と一緒に過ごし、一緒にトレーニングを積んでいると、勉強になることはたくさんあります。「強くなりたい」という気持ちは同じですから、一緒の方向を向けるのも良いところです。

 


実技系の学科って、なんとなく実技ばかりやっているようなイメージが先行しがちです。でも実際のところは別にそんなことはなくて、座学の勉強もたくさんありますし、結構授業は忙しいものです。この記事を通して、「へぇ、体育学部ってそんなことやってるんだ」と思っていただけると嬉しいです。

 

今、リオのオリンピックが開催されています。ぼくの大学同期も出場するようです。実力をちゃんと発揮できますように。

雨のち晴れ。もっと強くなりたいなぁ。