一眼レフ初心者へのおすすめ勉強本 〜中井精也「世界一わかりやすいデジタル一眼レフカメラと写真の教科書」〜


「一眼レフカメラを買って綺麗に撮れるのは良いけど、もう少し上達したい。」

「上手くなりたいけど何から手をつけて良いかわからない。」

「本屋に行ってみたら膨大な本の量。どれが良い本か知りたい。」

 

今回は、そんな一眼レフカメラを初めて少し経ち、もっと上達したいと思い始めた方へのおすすめ本の紹介です。それが中井精也さんの「世界一わかりやすいデジタル一眼レフカメラと写真の教科書」。ぼくはカメラを始めたばかりの知人には、例外なくこの本から読み始めることを勧めています。「世界一わかりやすい」という本のタイトルに嘘はないです。

中井精也さんの本のどこがすごいか?

誰しも一眼レフカメラ・写真を勉強し始める前に、「こんな写真が撮れるようになりたい」というある種の理想像を持っているものです。

インスタグラムで人気の作家さんでも良いですし、雑誌の広告でも良いと思います。ぼくのように「ドキュメンタリー作家のような写真を撮りたい」という人……は少数派でしょうか 苦笑

この本は、そうした理想像に近づくための道筋を素直に分かりやすく教えてくれます。他のカメラ関係の本と比べても、すごく優しく書いてありますので、読みやすく疲れません。なんなら一気に通読できてしまうほどです。

 

しかも、必要な要素はもれなく詰め込まれています。構図(どこに何を配置するか)、絞り(ボケ具合の調整とか)、光の使い方などなど。これを手軽に、一度で学べる点でも非常に優秀な本だと思います。

三部作を通読すると一通りできるようになる

中井精也さんの「世界一わかりやすいデジタル一眼レフカメラと写真の教科書」は三部作になっています。それぞれコンセプトが違っているので、全て読むのが望ましいです。

三部作通して素晴らしく、全ての本にDVDが付属しています。まずこのDVDを見てから本を読むと、すっと頭に入ってきます。DVDの素晴らしいところは、実際に中井精也さんが色々と撮り比べてくれるところです。本だけでも素晴らしいのですが、このDVDがセットになることで更にその価値が増しているように思います。

 

1.「世界一わかりやすいデジタル一眼レフカメラと写真の教科書」

「何をどう撮る?」と一つのりんごをテーマに問いかけるところから始まります。

昔の画家がりんごをモチーフに様々な絵を描いたことからもわかるように、たとえ同じようなりんごであったとしても、切り取り方によってその見え方は全くと行って良いほど異なります。明るいりんご、暗いりんご、転がるりんご、静かに佇むりんごなど、挙げればきりがありません。

 

また、光の使い方についても優しく解説してくれます。写真を勉強したことがない人は「順光が良くて逆光はダメ」という固定観念があるように思います。

この本では、そんなことはないということを具体例も交え撮り比べながら解説してくれます。順光・逆光・半逆光それぞれに良さがあるということを学べました。

 

この1冊目をきちんと抑えるだけで、友人に「へー!写真上手だね」と言ってもらえるようになれるはずです。写真から散漫な印象が消え、見せたいものを印象的に見せられるようになっているはずです。

なお、三部作の1作目ということで、カメラの基本設定も解説してくれます。ぼくは今でも、この本で習った設定で撮影しています。特に「絞り優先オート」や「親指AF」は慣れるとすごく便利で、やめられなくなりますよ。

 

2.「「世界一わかりやすいデジタル一眼レフカメラと写真の教科書 何をどう撮る?活用編」

1作目が心構えや基本のキであったのと打って変わり、2作目は「柔らかく撮りたい」「ノスタルジックに撮りたい」「ドラマチックに撮りたい」など、「何をどう撮るか」を更に一歩推し進めて具体的ノウハウを伝授する内容になっています。

特に「ゆるく」分野と「シャープに」分野をしっかりと分け具体の作例を入れながら書いてあるので、辞書としても使いやすくなっています。

 

流したり回転させたりフラッシュを使ったり。多くの写真家の人がやらないことも大胆に教えてくれます。

確かに「写真家」として発表しても評価されなさそうな手法なのですが、普段楽しむ分にはなんの問題もありません。自分の引き出しを増やしてくれます。この辺のテクニックを使えるようになってくれば、より一層写真が楽しくなってくるに違いありません。

 

ちなみに、ぼくはこの本を今でも時々見返します。特に作品が単調になりがちな時なんかはこういうノウハウものも良いものです。それに「楽しく撮ることってすごく大事」ということを思い出させてくれます。

 

3.「世界一わかりやすいデジタル一眼レフカメラと写真の教科書 伝わる写真の撮り方編」

最終3作目が「伝わる写真の撮り方」に焦点を当てたこの本。1冊目と2冊目の内容をまとめつつ、「今後もっと上達するには?」というテーマにも触れられています。

1冊目と2冊目の内容とダブル部分もだいぶあるように見受けられますが、高い本というわけでもないですし、それで不満を抱くことはありませんでした。むしろ「それ知ってるわ」ということは、全2作をしっかりと勉強できたという証拠かな、とも思えます。

 

ぼくはこの3冊目、「今後の上達」を意図したのではないかと思っています。具体的には「写真想像力を鍛える」であったり、「撮影後」の取り組み方であったり。いわば「自分で上達していくための道しるべ」「読者が自分でどんどん写真が上手くなれるよう送り出すための本」という印象です。

写真に限らず、何事も自分で実際に手を動かさなければ上達は遠のきます。そんな中で「まずこれから手をつければ良いよ」とトレーニングの方法を教えてくれるのはありがたいことです。


 

資格の勉強と同様に、写真の勉強用にたくさんの本が出ています。書店ではどれを選べば良いのか迷うと思います。そんな中で、この中井精也さんのシリーズは極めて平易な言葉でわかりやすく書いてあります。

この3作を抑えることで、まず間違いなく自分の当初イメージに近い印象的な写真を撮ることができるようになります。旅先の絶景も出会う人の表情もバッチリです。二度と戻らない大切な時間を思った通りに残せるようになると、ますますカメラ・写真が楽しくなりますよ。

 

雨のち晴れ、いつかきっと晴れるよね。

 

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フォトコン入賞大作戦!コツを全部まとめてみた!!


30枚の組写真をつくったる!必要なことと注意点は?


4枚とかの組写真に加え、30枚の作品にも挑戦中の今日この頃。日々勉強です。

ポートフォリオをプロの写真家に見てもらったり、写真学校卒のプロの卵に意見をもらったりと精力的に活動し、今までの自分では思わなかったことなんかを吸収すべく頭をフル回転させております!

今日は、自分の備忘録がてらこれまでに学んだこと・考えたことをまとめてみます。

30枚組と4枚の組写真は意味が違う 

当たり前と言えば当たり前ですが、30枚で1つの作品にする時と4枚組でアマチュア向けのフォトコンテストに出品するのでは意味合いが違ってきます。

特に30枚ともなると、ある一定のテーマ性が強く求められます。そして作品全体を見た時に面的な広がりがあるストーリーが見えてくる必要があると考えています。

 

また、ドキュメンタリーという分野で考えると、少なくとも周囲の状況がある程度見える状態の方が好まれるようです(個人的にはアップの写真も好きなんですけどね)。

これはポートフォリオレビューの記事でも書いたことですね。おそらくその方が作品全体を通して状況が見えやすくなり、ストーリーの広がりが出やすくなるからではないでしょうか。

 

もちろん、4枚組でも周囲の状況が見える素晴らしい写真はたくさんありますが、フォトコンテストの入賞作品なんかを見ている限りでは、組の中にアップを入れていることが多いような気がします。なんだかんだで4枚だと作品をパッと見た時のインパクトも求められますからね。

もちろん、線でつながったようなストーリーが見えればそれに越したことはないと思いますが、面的な広がりまで表現するのは至難の技でしょう。むしろ組むことによって想像力が掻き立てられるような4点を打っていくようなイメージで捉えています。

30枚組む時に必要なこと

4枚くらいの組ではあまり考えなかったことも、30枚くらいの意識的に考える必要が出てきそうです。

 

4枚ではあまり考えませんでしたし、そもそも「そんなの入れられないよね」となる写真でも、30枚となると必要となる場合もあるようです。たとえばイメージカット。竹沢うるまさんが得意なやつですね。

言い方が適当かわかりませんが、よく分からないけどブレていて、でもイイ感じ!の写真なんかがこれにあたります。あとは炎のアップとか水滴とか。それ自体がドキュメンタリーというよりも、「世界観を象徴するようなイメージを形にしたもの」というのが自分の理解です。

 

また、連続写真もありのようです。自分の場合キルギスに行って羊飼いになってきたわけですが、羊が移動しているところを連続写真で撮るようなものです。それにブレが意識的に入っているようだと確かにカッコ良さそうですよね、迫力あるし。

今まで意識的にそういったカットを撮ったことはありませんでしたが、これから撮影の際には頭の片隅に置いておこうと思っています。

 

あとは生活感を感じられる静物。分かりやすいところで言うと、東南アジア圏なら仏花や仏像、ウイグルだったらナンとかラグメン、ヤカンとかでしょうか。これも気が付いた時には撮るようにしていましたが、作品の構成要素として不可欠だということになればもっと慎重に目配りして歩く必要がありそうです。

 

これは4枚程度の組写真でも言えることですが、構図にも工夫が必要です。日の丸構図や3分割構図は有名ですが、そのほかにも集中線構図とかいろいろありますよね。自分はそのパターンが少ないなぁ、というのが現状です。

4枚だと雰囲気が違う写真を4枚組んだら勝手に構図に差をつけることになるかもしれませんが、30枚ともなれば計算していろいろな構図で組んであげなければ、作品全体が単調になってしまいます。構図は勉強だそうです。たくさんの写真集を見て、イメージを養っていくことが大切ですね。

 

また、アングルも重要な視点です。目線の位置から水平に撮るか、それとも俯瞰して撮るか。あるいはローアングルから撮るか。斜めとか横からというのも、当然考えられますね。

さらに、距離感。遠くから撮るか近くから撮るか、それとも普通に会話しているくらいの位置から撮るか。画角はどの程度にするか。構図、アングル、距離感、画角なんかを組み合わせると、バラエティに富んだ、見ていて飽きない作品になるのだろうと思います。

こうしたことを踏まえて「自分に足りないカットはどんなカットか?」を考えながら旅すると、必要なカットに対するアンテナが高くなり、欲しいカットを見つけられる可能性が高まるのだろうと思います。ま、そこまでするか?って話ですが。

 

【個人的に今後組み込んでいきたい写真・メモ】

イメージカット、連続写真、生活感を感じられるような静物、額縁構図、見下ろすような構図、決定的瞬間、人がたくさん写っているやつ、ブレによる動きを感じさせる写真

こういうのを考えながら写真をとるってことが大切ですね。

いろんな人の意見を聞いてみる

組写真30枚は一つのストーリーになるわけですが、自分で作ってみて他の人の意見をもらうことってすごく大切だと感じます。

自分で撮影したものだと、セレクトの際に思い入れが邪魔することがありますし、自分では状況がわかっているけれども他の人から見たら実は何をやっている写真なのか分かりにくいということもありえます。

 

実際に複数人に見てもらって面白かったのは、人によってみる観点や好きな写真が違うということ。ある人が好きといってくれた写真について、他の人からはイマイチと言われることもあります。逆も然り。

こういうことを自分が実際に体験してみると、好みってあるんだなぁと実感します。だからたとえ誰かからボロクソに言われたとしても、気にしすぎる必要は全くないと感じます。スポーツの世界であれば良い動作は良いと誰もが言うわけですが、写真はスポーツと全然違うんだな、と思います。

 

このように、写真の評価には個々人の好みが多分に反映されます。それでもいろんな人から意見をもらうことで、自分が考えていなかった視点を得ることができたり、あらためて自分の作品を見つめ直す機会を得ることができます。

周りの人を見ていると、他人に作品を見てもらっていない人の方が多いように感じます。確かに他人に作品を見せて評価にさらされることは、心地よいものではありません。

でも、本当に自分のレベルをあげたいと思うのであれば、他者に見せて評価をもらった方が良いと感じます。一歩ずつ前に進めます。(見せることになればそのための準備もしますし、それ自体がトレーニングになります)

 


これが正解とはまだまだ言えないもので、あくまでぼくの備忘録になりますが、いろんな人に話を聞きながら書いているので、そこまで間違ったことは書いていないと思います。

30枚ともなると、現地に何度も足を運んで撮りためないと組めないレベルだと思います。そう考えると、やろうと決心して取り組むだけでもなかなか大変。でもこれを乗り越えていかないとまとまった作品は作れないし、ましてや写真集を作るなんてできません。頑張らないとですね。

 

雨のち晴れ。がんがん攻めていこう!

 

・関連記事 作品として組写真を作るまでの軌跡。