ニートの生活を少しだけ晒してみる。就職浪人からの1年。


らぴです。

かつてぼくは、就職浪人を経験しました。どうしてもやってみたい仕事があって、でも内定をもらえなくて。他の仕事は見つかったのですが、最終的に内定を辞退させていただきました。なんとも贅沢な話なわけですが、ぼくはぼくなりに真剣だったのです。

そんなわけで、同級生のみんなが就職して新たな1歩を踏み出す4月1日に、ぼくはシェアハウスの居間で新聞を読みながらコーヒーを飲んでいました。結果として当時希望していた職場を諦め、紆余曲折を経て現在の職場から内定をもらいました。

今日は、そんなぼくの経験から、ニートな生活はどんなものか語ってみたいと思います。

 

 ニート生活で何をしていたか?



まず第一に、希望している就職先に再チャレンジするために、準備をしていました。この時点で、本来的な意味でのニートではないのですが、そこは勘弁してください。分かりやすさ重視で「ニート」で語らせてもらいます。

毎日、面接に備えて準備をしていました。面接でどんなことを聞かれるか予測し、それに備えてシミュレーションを繰り返しました。また、広く知識を身につけ、自分の引き出しを増やすために読書も欠かしませんでした。ぼくは就職活動を夏に終えましたが、就職の準備そのものよりもやはり気持ちが辛かったです。同級生はすでに働いていたし、せっかく決まっていた他からの内定を断っての挑戦でしたからね。

 

内定をもらえるかどうかで気持ちがしんどかったとは書きましたが、全体としてみればなかなか悪くない生活でした。学生をやっている頃は、勉強に陸上に忙しくしていて、のんびりと遊ぶようなことがなかったので、自分で自由にできる時間が居間までよりたくさんあって、最初は何をすればよいかわかりませんでした。

でも少しずつ慣れてきて、朝は毎日コーヒーに新聞、日中はシェアハウスの掃除やゴミ出し、それに家庭菜園も始めました。これらは働くようになった今の生活にも、ある程度引き継がれています。

 

当時はミニトマトにネギ、ズッキーニ、それにバジルやセージなど、結構いろんな種類の野菜やハーブを育てました。また、朝顔やチョコレートコスモス、その他何種類の花も栽培してみました。

脇芽を摘んで挿し木をしてみたり、毎日花柄を摘んだりするのは、ほっと一息つけるひと時になりました。草花や土に触れたときの感触やその匂いなどは、ぼくの気持ちをリラックスさせてくれました。ぼくは今年も、ミニトマトやしそ、それにミリオンベルなんかを育てています。しんどい仕事に行く前の癒しのひと時が提供されます。

 

あとは当時も別ブログをやってました。就活中だったので、自分の考えをまとめたりする記事が中心でしたが、就職するまでに100記事は書きました。あのときの経験があったからこそ、今こうしてブログを書こうという決心がついたのだと思います。

ちゃんと文字で他人に伝えようと思って書くと、結構疲れますし時間もかかることを知っていたことが大きかったような気がします。知っていたからこそ多少しんどくても書けますが、もし知らずに始めていればすぐにやめてしまったことでしょう。

 

陸上もちょっとだけ。学生の頃ほどしっかりした練習はできませんでしたが、健康を維持する程度よりきつい程度には練習もしました。陸上の後輩と一緒にトレーニングしたりご飯に行ったりするのは楽しかったです。

 

あとは自分がやりたいと思ったことを気分の赴くままにやっていました。のんびりと休みたい日があれば寝ていましたし、ネットサーフィンに興じていた日もありました。

特に就職が決まった夏以降は、これまでできなかったことにチャレンジできました。始めてバックパッカーになったのもこの時期で、あのニート時代がなければ、ぼくは旅にもカメラにも出会わなかったことでしょう。

 

こうした経験をしてみて、価値観も変わりました。それまでは仕事に就くこと、仕事で大きなことを成し遂げることだけが目標でしたが、それとは違った人生を送っても良いと思えるようになったんです。ストイックに頑張らなくても良いと思えるようになったら、気持ちが軽くなりました。

今の仕事がどうしても嫌になってやめることになったとしても、ぼくはそれほど悲しまないと思います。生活するだけのお金をどう確保するかという切実な問題はありますが、ゆっくりとしたスピードで生活するのも良いものだということに気づいたからです。この心境の変化は、ぼくにとってとても大きなものでした。

 

 


 

ニート生活も悪くないです。結果としてぼくが就職できたからこそ言えるかもしれませんが、心からそう思います。

 

就職した先では、ぼくは若干周りよりも歳食っているし、同級生はぼくより先に仕事を覚えていました。

その代わり、ぼくは今まで勉強や陸上のために犠牲にしてきた生活を味わうことができましたし、旅やカメラに出会うことができました。あの1年がないままにすんなり就職していたら、ぼくの人生は今とは全く違ったものになっていたに違いありません。

 

積極的にニートになることを勧めることはできません。でも、今まさに当時のぼくと同じようにニートになって、それで毎日不安になっている人がいるなら、言ってあげたい。雨のち晴れだよ。今のこの時期をうまく使えば、それはきっとかけがえのない財産になるよ、と。

 

たとえ毎日雨でも、明けない梅雨はありません。雨のち曇りかもしれないけど、そのうちきっと晴れます。毎日しんどくても、いつかきっと晴れるよ。


就活の面接で思いがけない質問をされる場合に備えて。


懐かしの就職活動。ぼくも数年前、就職活動をしましたし、たくさん面接しました。ぼくが最終的に内定をもらったところでは、トータル20回くらい行ったでしょうか。とても大変だったと記憶に残っています。

 

「就活はお見合いのようなものだ。相性がよければ通るし悪ければ通らない」なんてことも聞きましたが、実際に就活をしている当人からしてみれば、そこまで簡単に割り切れるものでもないでしょう。たった数回の面接で何を聞かれるかわからない緊張感。そこに合否がかかっているとなると、やはり落ち着きません。

 

志望動機や長所・短所など、よく聞かれる定番の質問に対してであれば準備することもできるでしょうが、ときに思いもよらぬ質問をされることもあります。

今日は、就活の面接で思いがけない質問をされたときのために、何を準備しておけば良いのか考えてみます。当時、ぼくなりに就活をするときに考え方のフレームワークを作り、答えに窮したら自分が作ったフレームワークをフル活用して乗り切りました。

このフレームワークは、民間企業か公務員かを問わず、もっと言えば新卒の就職活動に限らず活用できるものだと思っています。今不安に思っている方は、ぜひ活用してみてください(ただし活用は自己責任でお願いします……)。

 

 お手製!「思考のフレームワーク」



たとえば「この失われた20年の中で、日本が取るべき選択はなんだったと思うか?」とか、「地方創生について知っているか?」とか聞かれた場合、どのように答えれば良いでしょうか。両方とも自分の知識の範囲外で、今面接に来ている企業とはあまり関係がないとしましょう。

このような思いがけない質問にどうやって対応するかは、とても悩ましいですよね。ものすごく頭がよければとっさに気の利いたことを言えるのかもしれませんが、ぼくを含めたいていの人は対応しきれないと思います。

 

そんなことを言っても答えないことには始まらないですし、その質問を通して受験生がよくわからない場面でどうするかを見ていると考えても良いでしょう。つまり何とかしないといけないわけです。

そこでぼくが考えたのが、冒頭で紹介したフレームワークです。ぼくの場合、わからないときに検討するべき観点というくらいのイメージで使っていました。

 

 

これです(➕)。これがぼくのイメージです。

そう言ってもなんのことやらさっぱりかと思います。順に説明します。

この➕ですが、縦と横が交わるところが中心となる原則、縦棒が時間軸、横棒が他のものとの比較を表しています。そしてひっくり返すと裏…ですが、これは後ほど説明します。

 

 

 まずは原則から考えよう。



まず第一は原則です。そもそも論と言い換えても良いでしょう。

具体例を出すと、たとえば「ベーシックインカムの導入についてどう思うか?」と聞かれたとします。この問いに対してそもそも論的に考えてみると、まずベーシックインカムとは何かということを抑える必要があります。

ベーシックインカムを単純化して言うと、所得などに関係なく、生きるのに最低限必要なお金を一律全員に渡す制度ということになります。そして、制度の根底には、「人間誰しも生きる権利があり、最低限人間らしく生きていけるようにすることは国などの公の責任である」という考えがあります。

もともとベーシックインカムについて確固たる考えを持っているわけでなければ、こうしたそもそも論を先に展開することも有効と考えられます。そしてたいていの場合、こうした制度の理念自体は誰もが多かれ少なかれ共感できるものです。

 

ぼくがこの問いに対して原則論を展開する場合、こう答えます。

「まず、ベーシックインカムは、所得などに関係なく全員に同じようにお金を渡す制度、と認識しています。これはどのような人であっても生きる権利があり、それを国などが補償すべきという考え方が元になっているものです。ぼくもこのような理念については全くその通りだと思っています。人は誰しも生きる権利を持っていると思いますし、幸せに生きようと思ったら最低限のお金が必要というのはまぎれもない事実だと思っています。」

このように答えた後に、自分の立場を述べればよいのです。原則論について述べることで、地に足がついた論を展開することができますし、話している間に自分の立場をどちらにするか考えることもできます。まさに一石二鳥です。

 

 時間軸:過去は?今は?そして未来は?



次に縦棒。これは時間軸を表します。過去、現在、そして未来です。

先ほどのベーシックインカムの例で考えてみると、過去に人間の生存はどのように捉えられていたかを考えることになります。大昔まで遡れば食料が国民全員に十分に行き渡らない時もあり、飢饉が起これば大勢の人が苦しみました。近代に目を向ければ、朝日訴訟に代表される生存権をめぐる問題がありました。人間が生をどのように捉えるかは、時代とともに変化してきたと言ってよいでしょう。

 

こうした歴史の変遷を踏まえた上で、ではベーシックインカムを導入すべきかどうかを考えるわけです。そして、ぼくたちはどのような未来を望んでいるのか、その未来は本当に実現不可能なものかどうかを考えます。

こうした思考の流れを順を追って話すだけで、今だけを見ているわけではなく、過去を踏まえてさらに中長期的な視点で物事を考えることができます。

 

 比較:いろんなものと比べれば、類似点や違いが見えてきます。



さらに横軸。これはほかのものとの比較になります。

たとえば国と地方、大企業と中小企業、日本と海外、会社員とフリーランス、海外旅行と国内旅行……ものごとにはほとんどの場合比較しやすいものがあります。

 

ベーシックインカムの議論であれば、日本は生活保護があるけど他の国はどうなのか、といった発想をしてもよいでしょうし、未だに人権という概念が希薄で個々人の生存が保証されていないような国も存在することが挙げられるでしょう。また、ベーシックインカムの議論で話題になる労働者と非労働者に同じようにお金を渡すことの公平性の議論もできると思います。現在行われている生活保護制度との比較も重要です。

 

比較と時間軸とを組み合わせると、さらに話に広がりが生まれます。過去における他のとの比較、目に見えている近未来での他との比較などを行います。➕の横棒を上下に動かしてみるんですね。

以上の原則、時間軸、比較の3つを常に置いておくと、的外れな議論をしてしまう可能性はかなり低くなります。加えて、いろんな角度からものごとを見ることになりますから、深みがある(ようになんとなく聞こえる)話ができます。

 

 裏:極端な仮想を行えば本質が見えてきます。



最後に、「裏」です。「もし〜〜がなければ」と極端に考えてみることを指し、言うなら仮定してみることです。国際政治では反実仮想と言われているようですね。

 

これは農業で考えてみることにします。日本の農業は、小規模な営農が多いと言われ、効率性に課題があると言われています。一つ一つの農家が十分な利益を出せないことも多いことから、政府が多額の補助金を出しています。

 

では、今後もこれまで通り補助金を出すことが妥当かどうか考える際に、この「裏」の発想を用いるとどうなるでしょうか。

まず原則論として日本の農業はぼくたちに食料を供給するという大切な役割を担っています。また、保水や自然環境を維持する上でも重要です。

 

では、仮に補助金の拠出をいきなりやめてしまったらどうなるでしょう?農家は作物を作っても赤字になりますから、農業をやめてしまいます。食料を安定的に確保することは難しくなりますし、自然環境も壊れてしまいます。補助金をいきなりやめるという選択肢は、非現実的だと言えるでしょう。

他方、農業に従事する人が経営的に自立することが重要であることも論をまちません。補助金の原資は税金ですから、できるだけ効率的に使うことが求められます。補助金を投入するからには、より大きなリターンがあることが望ましいですね。

 

結局はバランスの問題なのです。しかし、いきなり補助金をやめるということは無理で、ではどうするかという現実的な話をするためにも、「裏」思考は重要だと言えます。現在の形と裏の形を踏まえ、その間で落としどころを探るのが現実的な思考だと言えます。

 

 自分なりの切り口を準備しておこう。



ここはおまけです。ぼくは「➕」の発想にもう一つだけ、頭の片隅に置くことにしています。それは切り口です。

ぼくの場合、①海外旅行が好き、②スポーツに結構詳しい、ということがありますので、何か困った時は、海外旅行やスポーツで自分が経験してきたことを「➕」に絡めて話すようにしています。

「➕」の発想は非常に有効なものだと思っています。ただし、これはあくまでも一般論ですので、自分自身が体験したことをいれていかなければ、誰でも言えることになりかねないという危うさもあります。

 

就職活動の面接では、自分自身の経験に絡めて話すことが求められています。ですから、自分自身が話せることをいくつかエピソードとともに用意しておくと、いろいろな場面で活用できます。これは思いがけない質問を受けた時でも同様です。ですから、できれば2つか3つ、自分が自身を持って話せる分野を把握しておきましょう。

 


 

 

巷ではいろいろな就職活動本が出ています。その中には面接対策に特化したものもあります。それらに書かれていることは、実際に使えることが多いと思いますが、それを全てマスターできるようならそもそもあっさり希望通りの会社等に内定できる人なんだと思います。

ぼくにはそれができませんでした。咄嗟にイメージできないと、パニックになります。だからこの「➕」のフレームワークを作りました。これならすぐに頭に思い浮かべることができますし、仮に話せることがなくても、それなりにまともそうなことが言えました。

 

就活の面接は緊張します。なんだか自分の全人格を試されていて、失敗すると人生終わりみたいな暗い気分にもなります。そして常に不安です。

ぼくの後輩たちも、かつてのぼくと同じように就活を頑張っています。世の中にはもっと多くの頑張っている人がいます。そういった皆さんが、少しでも面接で力を発揮できますように。

 

雨のち晴れ。ここを抜ければ快晴ですよ。